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Thursday, November 25, 2021

【工場探検隊】毎日食べたい「白いノンカップ麺」 トーエー食品「麺は生き物」食感こだわり - 岐阜新聞



 丼に商品を入れ、湯を注いで数分待つだけで出来上がる手軽さに加えて、国産小麦100%使用で添加物を使用しない麺と、安心安全な商品を展開するトーエー食品の袋入り即席麺「ノンカップ麺」。大手メーカーと競合しにくい生活協同組合や通信販売で取り扱い、女性や高齢者から根強い支持を得ている。

 ヒット商品は消費者の何気ない一言から生まれた。「家で手軽にカップ麺を食べたいが、カップをごみに出すのは背徳感がある」。率直な意見に、道家領造副社長(80)は「まさに時代の先駆け。食の安全や環境意識の高い消費者の声だった」と振り返る。原材料の生産地や成分、製造工程を記録するトレーサビリティー(生産流通履歴)も意識すれば、大手にはまねできない商品が作れると確信。自ら開発の陣頭指揮を執り、わずか1年で商品化にこぎ着けた。

 こだわりが詰まった商品の工程は、通常の商品と大きな違いがある。ラーメン用の麺を練る機械に投入されたのは、小麦粉とデンプン、食塩水。製麺時に入れて、独特のこしを出す「かん水」は食品添加物の一種でもあるため、入れない。その証拠にかん水が小麦に含まれる成分と反応して中華麺は黄色くなるが、ノンカップ麺は小麦粉本来の白さが際立つ。

 かん水不使用の麺でこしを出すのが、麺に圧力をかけて伸ばす次の工程。練った生地はラインに乗って、六つのロールが連なるゾーンに運ばれる。通過する時にじっくりと圧力をかけ、最初は厚さ10ミリだった生地が最終的に0・95ミリになる。機械任せにせず、熟練者が生地の厚さを定期的に計測して食感を確認する。剱徳政営業課長(37)は「麺は生き物。その日の温度や気温で変化するので気が抜けない」と話す。

 その後、生地に機械で麺独特の縮れを付け、100度前後で蒸し、円形の型に入れてパーム油で数分間揚げる。フライヤーから出てきた麺は、ノンカップ麺の特徴でもある1食分の丼の型に。麺の品質チェックの後、スープが入った袋とともに梱包(こんぽう)して完成する。

 ノンカップ麺のシリーズはラーメンだけでなく、うどん、そばとバリエーションをそろえ、どれもほっと安心できる懐かしい味に仕上がっている。道家副社長は「毎日食べたくなる味を守りながら、今後も食の安全を追求し、消費者に正直な商品づくりを続けたい」と語る。

 【工場概要】1963年に岐阜市内で会社を設立。85年に現本社に移転し、即席麺の生産設備を整えた。工場の敷地面積は4600平方メートルで、従業員は35人。年間約1500万食を生産する。食品衛生管理に力を入れており、14年には食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000を、17年には県HACCP導入施設認定を受ける。関市下有知。

カテゴリ: 動画 経済



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