Pages

Thursday, November 25, 2021

「何かしたい。でもできない…」 コロナ禍で苦しむ学生、ママ団体が支援 オンラインに「活動の場」提供 - 神戸新聞

 新型コロナウイルス禍で、目標だった留学ができなかった。大学入学と1度目の緊急事態宣言が重なり、サークルに入りそびれた。「何かしたい」けど機会がなく、時間が過ぎていった。そんな思いを持った兵庫県三田市、明石市、宮城県の大学生3人が、オンラインでのボランティアに取り組んでいる。(土井秀人)

 場を提供したのは、三田市の子育て中の母親らでつくるボランティア団体「プロジェクトOhana(オハナ)」。2018年にオンラインのチャリティーイベントを始め、これまで収益をハワイ・キラウエア火山噴火や北海道胆振(いぶり)東部地震、熊本豪雨などの被災地や団体に寄贈してきた。今回は今月28日、ハワイやニュージーランド、パリなどとつなぎ、五つの講座を開催。参加費を支援に充てる。

 イベントの準備に奔走したのは、宮城学院女子大2年の伊藤凜さん(20)=宮城県東松島市▽関西国際大3年の緒方あいはさん(21)=三田市▽神戸女学院大3年の酒井由菜さん(21)=明石市-の3人。オハナのママメンバーがサポートした。講師との交渉や協賛事業者の募集、インターネット上の申し込みフォーム作成などを手掛けた。

 伊藤さんは入学後すぐ、1度目の緊急事態宣言が発令。大学に通えず、つながりはオンラインだけ。サークルには入りそびれ、ボランティアや留学などやりたいことができなかった。「何かしたいと思いながら、タイミングがなく1年半がたっていた」。そんな中、ハワイに住む姉からオハナの活動を聞き、9月中旬から参加した。「正直、オンラインボランティアのイメージはわかなかったけど、海外に行かなくても何かに触れられると思った」

■忙しいのが楽しい

 緒方さんは、留学を目標にして大学に入った。韓国語の勉強にも励み、本来なら2年生の秋に行く予定だった。しかし新型コロナの流行は収まらず、オンラインでの留学となった。「現地に行けなかったショックは大きかった。コロナで毎日が暇で、私は何をしているのだろうと思っていた」

 オハナには親戚の誘いで参加。収益を寄付する先の団体探しや交渉を担い、悩み相談などを行うNPO法人「東京メンタルヘルス・スクエア」に決まった。小学生から大学生までを対象とした期間限定の相談窓口を開設してもらえることになり、「責任感を持って活動できた。今は忙しいのが楽しい」と笑顔を見せる。

■活動通じ成長実感

 酒井さんも入学当初から「留学して成長したい」との思いがあったが、かなわなかった。オハナには昨年8月のイベントから参加している。

 「私たちはさまざまな背景があるけど、『コロナでうまくいってない』という共通の思いがある。けれど、それ以上に困っている人がいる。どんな支援ができるかを考えた」

 今回は、協賛をしてくれる事業者への依頼などを担当。コロナ禍を経験した大学生だからこそ「気軽に話せる人が必要」と思いを伝え、4件の協賛を得た。「もやもやした時期もあったが、オハナの活動では達成感があった。自分の弱い部分や強みを知り、成長できた」

■会えない寂しさも

 打ち合わせは全てオンラインで、メンバーはじかに顔を合わせたことはない。酒井さんは「授業もオンラインなので慣れている。直接会えない寂しさもあるが、こうしてつながれたことが一番大きい」という。

 伊藤さんは宮城からの参加だ。「コロナのため地元の大学の友達も限られており、今回はオンラインだからこそ出会えた。オハナのママメンバーと知り合ったことで視野も広がった」と話していた。

◆リトミック、クッキー作りなど5講座 28日にイベント

 プロジェクトOhana(オハナ)は、イベントを通じ「育児世代のママが親子で楽しめ、ママ自身がリフレッシュしてもらいたい」と、三田市在住のルーベッシュ裕子さんらが設立した。28日に開催する5講座はいずれも40分で、受講料千円が必要。

 午前10時からは、乳幼児向けの音楽教育「リトミック」体験がある。同11時からは、ハワイとつなぎ、現地の文化継承団体の代表が講師を務める。しきたりや約束事など文化を理解し、旅行に行った際に楽しめるようにする。

 午後1時からは、南米原産で栄養価に富む穀物「キヌア」について学ぶ。ニュージーランド在住の大学准教授が講師を務める。

 午後2時からは、パリ在住のエルアッカリまきさんが、米粉と塩こうじを使ったクリスマスクッキー作りを教える。

 午後3時からは、新潟県のNPO法人マミーズ・ネット理事長の中條美奈子さんがリーダーシップについて伝える。

 27日までに、同プロジェクトのホームページから申し込む。(土井秀人)

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「何かしたい。でもできない…」 コロナ禍で苦しむ学生、ママ団体が支援 オンラインに「活動の場」提供 - 神戸新聞 )
https://ift.tt/3HTHB25

No comments:

Post a Comment