将来の航空需要に応えるため、富士山静岡空港株式会社が空港ターミナルビルに建設を進めている旅客搭乗橋が、まもなく完成する。狙いは旅行客やエアラインの利便性の向上。コロナ禍の苦境にありながらも、2019年に民営化した強みを生かした投資を展開している。
搭乗橋は乗客が飛行機を乗り降りする際に渡る設備。機体からの出入り口に搭乗橋を接続することで、屋外を通らずにスムーズに乗降できる。静岡空港には既に搭乗橋が4カ所あり、新たな5カ所目はターミナルビルの西側部分を増床して整備している。今年1月に着工し、9月末の完成を見込む。
離着陸の頻度が高く搭乗橋が使えない場合はこれまで、乗客が屋外の駐機場を歩き、階段を上って飛行機に乗り込んでいた。着陸後の機体が客を乗せたまま搭乗橋が空くまで待機することもあった。
新たな搭乗橋の整備で乗客が快適に移動できるようになり、バリアフリー機能も高まる。乗降時の安全管理も容易になる。空港の対応力が向上し、航空会社側には希望する時間に運航しやすくなるメリットがある。
コロナ禍の直撃により、静岡空港の20年度の搭乗者数は09年の開港以来最低となった。21年度も航空需要は低調で、国際線の全便欠航は約1年半に及んでいる。
こうした状況下でも将来を見据えた投資ができる背景には、19年4月の民営化の影響がある。従来の指定管理者制度では県の単年度予算の仕組みに縛られ、経営の自由度は低かった。現在は民間資本による迅速な意思決定や柔軟な資金運用が可能になった。
同社は民営化20年目の2038年までに、搭乗者数を135万人に伸ばす目標を掲げている。搭乗橋に加え、国際線の自動チェックイン機も年内の設置を予定。運航再開を見据え、搭乗手続きの円滑化を目指す。担当者は「目標を達成するために必要な投資。コロナ禍の収束後を見据え、需要よりも先に供給を充実させていく」と意義を強調する。
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