
「『圣』の文字を初めて見た時は、謎の呪文かと思った」。県内の駐車場では珍しくない『圣』の路面表示。軽自動車専用スペースを指す『軽』の略字として使われているが、県外の人には不思議な光景に映るらしい。識者らによると、熊本を中心に方言的に使われており、由来や理由は謎が多い。 奈良県から熊本県内に移住したウェブ制作会社社長の中野太助さん(41)は、「『圣』は熊本以外の駐車場で見たことがないし、意味も分からなかった。地元の人から全国共通では、と言われて、さらに驚いた」と話す。 複数の漢和辞典を調べると、『圣』は音読みは「ケイ」ではなく、「コツ」や「セイ」。意味は「精を出して耕す」だ。『聖』の俗字としても用いられるが、『軽』とは結び付かない。 熊本大大学院の茂木俊伸准教授(日本語学)は着任した2014年以降、駐車場で『圣』の文字を見つけ、地図上に写真と位置情報を記録している。現在、178地点中、県内が95%超の171地点で、ほかには大分県別府市6地点、徳島県鳴門市1地点しかない。「熊本県内にかなり偏っており、方言的に分布しているのではないか」と指摘する。
一方、略字を研究する宮城学院女子大学の菊地恵太助教(日本語学)によると、『圣』は明治期の書籍でも『経(經)』の略字としての使用が確認できるという。バスなどの行き先表示で、経由の『経』の略字で『圣』と表記されている事例は現在でも全国で散見される。 だが、『軽』の略字としての『圣』は文献では見当たらず「歴史的にみても使われていない表記だろう」と同助教。「何らかのきっかけで、熊本を中心に広まった可能性はある」と推測する。 そのきっかけを探るために複数の施工業者を取材したが、手掛かりは乏しかった。西部アトムライナー(熊本市)の小田一幸工事部長(40)は「過去に個人的に調べたことがあるが、何人ものベテラン職人に聞いても分からなかった。少なくとも40年以上前から使われていた」と話す。 また県メンテナンス協会(熊本市)によると、15センチ幅の線で『軽』を描く場合、最低でも縦横1・5メートルのスペースが必要だが、『圣』なら縦1メートル横60センチと半分以下で済む。同協会は「最初に誰が始めたかは分からないが、時間や経費の節約のために、駐車場の所有者と相談して使ったのでは」との見立てだ。
今回の取材では具体的な由来まではたどり着けなかった。ただ、近年は路面に塗料で文字を書くのではなく、シートを焼き付ける工法が主流で、『軽』が一般的に用いられているようになっている。複数の事業者が「『圣』は次第に姿を消していくのではないか」と口をそろえた。(和田毅) ※熊本の駐車場で『圣』の文字が使われている理由について、ご存じの方は、熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に情報をお寄せ下さい。https://ift.tt/2WFpfin
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