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Tuesday, July 16, 2024

「買ったマンションは完成するのか」 問題物件の「ババ抜き」状態に陥る中国不動産不況(2/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

産経新聞

 しかし、不動産不況が状況を一変させた。開発業者が資金繰りに行き詰まって建設が中断し、既にローンを支払っているのに住むところがないという人が増えた。瀋陽の女性は「今は未完成の物件は買うべきでない」と指摘する。女性が住むマンションの敷地内にも爛尾楼となっている棟がある。瀋陽市内には販売を始めてから約10年になる今も完成していないというマンションもあった。工事が進んでいない現場で暇そうにしていた警備員の男性は「若者だったら完成して住める可能性があるかもしれないが老人はあきらめるしかない」と苦笑した。

 北京の外資企業幹部は「誰が問題物件を引くかという“ババ抜き”のような状態になっていて、購入意欲を冷え込ませている」と分析する。

photo 作業が止まっているというマンション建設現場=7月上旬、中国遼寧省瀋陽市(三塚聖平撮影)

「成約量も成約価格も低い」

 中国当局は5月、各地で在庫となっている住宅を地方政府に買い取らせる方針や、住宅ローン金利の下限撤廃などを相次ぎ表明した。市況回復が期待されたが、国家統計局が15日発表した6月の新築住宅価格指数では主要70都市の約91%にあたる64都市で前月と比べて下落した。

 瀋陽も下落しており、市内の不動産仲介業者の女性は「成約量も成約価格も低い。政策効果はまだ表れていない」と嘆く。6月の住宅価格指数が上昇した上海市のような住宅需要が元々大きい都市では政策効果が出ているが、瀋陽のような人口の伸びも限定的な地方都市では厳しい状況が続いているもようだ。

不動産不況は、土地使用権の売却収入を主要財源としてきた地方政府の財政状況を悪化させているほか、不動産価格の下落が消費を冷やす逆資産効果による消費不振も指摘される。

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