【沿線レポート】高田駅や日吉本町駅などからのグリーンライン利用者には、降りたことはなくても駅名はよく知られている「川和町駅」で、駅前の風景が一変するような再開発が進みつつあります。
日吉駅側から見て、センター南駅の2つ先、終点・中山駅の一つ手前にあるのが川和町駅。都筑区川和町にある同駅の周辺は、1994(平成6)年までは同じ港北区内でした。
明治期には「都筑郡役所」が置かれ、昭和期には当時の港北区内で最初の県立高校「川和高校」が設けられるなど、北部エリアの中心的な存在として栄えた街でしたが、その後は中山(旧港北区、現緑区)や港北ニュータウンなどに中心が移り、現在も農地と工場が目立つエリアとなっています。
2008(平成20)年3月に横浜市営地下鉄グリーンラインが開業し、川和町駅と車両基地が設けられて以降も駅の周辺には農地が広がり、路線の10駅では最小の乗降客数となっていました。
沿線では随一の自然を残していた川和町駅でしたが、2016(平成28)年以降は駅周辺に広がる農地を使った再開発の議論が進展。
駅近くの7万3000平方メートルで土地区画整理事業を行い、昨年ごろから建物の建設が本格化していました。
大型の商業施設が先週オープン
「川和町駅周辺西地区」と呼ばれる駅周辺の再開発で中心的な存在となりそうなのが、駅から徒歩2分の大型商業施設「フォルテ横浜川和町」で、約5500平方メートルの敷地に2階建ての建物と210台の駐車場を設置。
食品スーパー「ベルク」(埼玉県鶴ヶ島市)を中心にドラッグストアやフィットネスクラブなど9つのテナントを誘致しています。
先週(2022年)8月31日には、商業施設で中心となるスーパー「ベルク・フォルテ横浜川和町店」がオープン。9時の開店直後から客が押し寄せ、平日にも関わらず入店規制を行うほどに混雑し、周辺住民の期待の高さを示していました。
今週9月7日(水)にはテナントの「マツモトキヨシ」や「モスバーガー」、「セリア(100円ショップ)」などがオープンを控え、翌週14日(水)には「無印良品」も開店します。
これまで川和町駅の近くでは「まいばすけっと」や「ヤマザキYショップ」くらいしか飲食物を買物できる店が見当たらなかっただけに、一気に買物利便性が高まることになりました。
駅前再開発には当然マンション
そして、駅至近にこれだけの再開発地と商業施設が生まれたとなれば、当然のようにマンションの建設ラッシュも同時に進行。
現在は三菱地所レジデンスなどによる183戸の「ザ・パークハウス横浜川和町ガーデン」が今年12月の完成へ向けて工事が進みます。
また、三菱地所レジデンスはさらに164戸の「共同住宅」も7月に着工しており、2023年12月に完成する予定としています。
このほか、フージャースコーポレーションによるシニア向けの分譲マンション「デュオセーヌ横浜川和町ガーデン」(149戸)も同時期に完成する計画となっており、まもなく工事が始まる見通しです。
また、再開発エリアのうち駅に近い区画では、商業・サービス施設といった“生活利便施設”をさらに誘致するとうたっており、すでにボーリング調査を行っている様子も見られました。
鶴見川の近くで車両基地が置かれ、土地利用の中心が工場と農地という環境は、港北区内にあるブルーラインの北新横浜駅(かつて新羽町、現在は北新横浜1丁目)に似ており、同駅の周辺も平成初期に大規模な土地区画整理で商業施設を中心に企業を誘致するとともに、現在は駅の近くに分譲マンションが建ち並びます。
“昔の港北区”の雰囲気を最近までとどめていた川和町駅の周辺は、この先、風景が一変していく可能性が高そうです。
【関連記事】
・港北IC付近に新たな「商業エリア」、ラーメン店やプロ向けホームセンター(新横浜新聞~しんよこ新聞、2022年4月22日、都筑区では港北インター付近でも再開発が進展)
【参考リンク】
・川和町駅周辺西地区の紹介ページ(横浜市都市整備局、土地区画整理事業やまちづくりの紹介)
・スーパー「ベルク」フォルテ横浜川和町店(2022年8月31日オープン、川和町駅から徒歩2分)
・マンション「ザ・パークハウス 横浜川和町ガーデン」(183戸、2022年12月完成予定)
・シニアマンション「デュオセーヌ横浜川和町ガーデン」(149戸、2024年2月完成予定)
関連
からの記事と詳細 ( グリーンライン・川和町で進む駅前再開発、“昔ながらの港北区”風景が変化 - 横浜日吉新聞 )
https://ift.tt/46I9NiW
No comments:
Post a Comment