Pages

Thursday, March 19, 2020

【3月20日付社説】林業研修拠点/確かな技能の担い手育成を - 福島民友

 県が、林業の人材を育成するための研修拠点を新設する方針を固めた。新年度から、郡山市の県林業研究センターの敷地内に研修棟などの整備を開始し、2022年8月の完成を目指す。

 本県は、県土面積の7割が森林に覆われている「森林県」だ。国有林と民有林を合わせた森林面積は、97万4千ヘクタールで全国4位となっている。しかし、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で、森林整備や林業活動が停滞してしまっているのが現状だ。

 森林整備の面積だけをみても、震災前の整備面積は年間約1万2千ヘクタールだったが、12年以降はおおむね年間約6千ヘクタールに減少している。このままでは、将来的に土砂災害や地球温暖化の防止、水源のかん養といった森林が持つ大切な役割も損なわれかねない。県は、研修拠点の創設を契機として、本県の森林を守り、育てていく担い手を数多く養成してもらいたい。

 拠点での研修は、一年を通じて林業に関連した幅広い知識を身につけてもらう長期研修と、数日間の日程で行う短期研修の二つのコースを設ける予定だ。このうち、長期研修は、本県で林業従事者として働くことを希望する人を対象に実施する。定員は15人とし、研修棟などが完成する前の22年4月からの開始を見込んでいる。

 県によると、県内で新たに林業で働き始めた人のうち、おおむね半数の人が3年以内に離職している。主な理由として、さまざまな作業を確実に行う上で十分な技能を身につけないまま就業し、魅力を感じる前に辞めてしまうことが挙げられるという。県は、研修を通じて必要な資格取得などを積極的に後押しし、林業を志す若手の定着を図ってほしい。

 一方、短期研修は、すでに林業に従事している人を対象に21年4月から開講する。木を運び出す作業道を効率よく設計する方法や、山林のなかにどれだけの木があるかを簡単に把握できる3次元計測システムなどの最新技術を学ぶ。熟練の林業者に作業の低コスト化のコツなどを丁寧にアドバイスし、本県林業の生産性向上に結びつけていくことが求められる。

 19年4月に森林経営管理法が施行され、所有者が適切に管理できない森林の一部について市町村が間伐などの対応を行うことになった。このため、短期研修では、市町村の林業担当職員も対象とし、林業の基礎に理解を深めてもらうことにしている。自治体と林業の従事者がスクラムを組み、豊かな森林を後世に引き継いでいく環境を整えることが重要だ。

Let's block ads! (Why?)



"完成する" - Google ニュース
March 19, 2020 at 03:40PM
https://ift.tt/392voFt

【3月20日付社説】林業研修拠点/確かな技能の担い手育成を - 福島民友
"完成する" - Google ニュース
https://ift.tt/3bggq11
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment