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Sunday, May 21, 2023

販売開始から完成後5年で価格が2倍に!人口ボーナス期の ... - 健美家株式会社

東南アジア、特にフィリピン不動産への人気が急上昇中だ。リスト株式会社のグループ会社で、世界的な高級不動産仲介ブランド・リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ(以下LIR)同社が販売する東南アジア不動産に関する2023年3月の問合せ数が昨年対比4.7倍に増加したと発表した。特に今後40年以上に渡って人口ボーナス期が続くといわれるフィリピンが大人気だ。

フィリピンでは2060年まで成長が続く

2022年3月に比べ、2023年3月には昨年対比4.7倍にも問い合わせが増えたという東南アジア不動産。中でもフィリピンへの関心が高いそうだが、それは人口ボーナス期(非常に簡単に言うと生産年齢人口が増え続ける、あるいは他の人口の2倍以上いるなどといった状態。日本はその逆の人口オーナス期にある)が2060年くらいまで続くと言われ、今後、長期に渡って経済発展が期待できるためだ。

LIRのマニラオフィスで駐在する高田直永氏によるとフィリピンの成長ぶりには目を見張るところがあるという。

「現地での肌感覚でいうと現在のフィリピンは日本の40〜50年前くらいの感じ。年間140万人ずつ人口が増加、GDPが6〜7%と成長を続けており、国民の平均年齢は24歳。まだ、交通網はそれほど発展していないものの、今から5年後くらいには地下鉄ができる予定になっており、それができればさらに飛躍的に街が変わるはず。

メトロマニラの街並み。都心のオフィス街と比べて遜色ない
メトロマニラの街並み。都心のオフィス街と比べて遜色ない

私たちのオフィスがあるメトロマニラ(マニラ中心部)の一画も13年前には軍の土地で何もありませんでした。ところが、この13年で日本の港北ニュータウンくらいの土地が東京都心並みのオフィス街になりました」。

フィリピンと並んで人気のタイは日本の20〜30年前といったところ。すでに交通網は出来上がっており、現時点での住みやすさではタイに分があるが、すでに少子高齢化が始まっている。人口ボーナス期は2031年までと言われている。

販売開始から完成後5年で不動産価格が倍に、家賃も年々上昇

急激に経済成長するフィリピンでは当然ながら不動産価格も上昇傾向にある。

Grand Hyatt Manila Residences は2012年頃から本格的な開発が進められ、高級ホテルやコンドミニアムが多い「ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)」に立地している。ここはフィリピンで一番治安が良い場所として知られているという
Grand Hyatt Manila Residences は2012年頃から本格的な開発が進められ、高級ホテルやコンドミニアムが多い「ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)」に立地している。ここはフィリピンで一番治安が良い場所として知られているという

「5年前に完成したグランドハイアットレジデンスタワー1という物件があるのですが、これが現時点で倍くらいになっています。日本でも最近、都心部などの一部エリアで価格が爆上がりしていますが、フィリピンの場合には限定エリアでの値上がりではなく、全体で上がっているのが特徴。

同物件では2棟目のタワーが今年年末か来年頭に完成する予定ですが、こうした値上がりを受け、5年前とはかなり違う価格設定になるかもしれません」。

販売価格だけでなく、賃料も年々上がっている。

「フィリピン不動産の場合、購入後、賃貸に出される方が多いのですが、インカムで10%回るかといえばそんなことはありません。フィリピン不動産と聞くと激安をイメージする人もいらっしゃるようですが、もう激安ではありません。

平米単価でみると70万円から140万円くらい、坪単価でみると230〜460万円くらい。都心部はもちろん、東京23区内ほどには上がっていないものの、首都圏内ならこの額の不動産は十分あり得ます。

ですが、購入後すぐは5%程度だったとしても、家賃が年々上がっていくとしたらどうでしょう。日本では借りた人が法律で守られており、貸主の立場が弱いこともあり、また、最近は賃貸住宅にも空き家が出ているなどの事情もあって賃料は上げにくいもの。

ところが、海外では所有者はもっと強く、今年は10万円で貸したけれど、来年は11万円にする、嫌だったら出て行ってくださって結構というケースが頻繁にあります。特に経済成長が続いている現在では賃料はこれからも上がっていく可能性が高いはずです」。

投資は未来にするもの

日本ではすでに人口ボーナス期は過ぎ去り、今後、かつてのような経済成長は望めない。その国からするとフィリピンのこれからは羨ましいくらいに眩しい。物価は上がっているが、給料も上がっているのだろう、彼らは消費にも前向きで、それが更なる経済成長に繋がっている。

「フィリピンでは2週間に1回給料を出さなくてはいけないことのなっており、給料日にはキャッシュディスペンサーの前に行列ができ、彼らはそれを貯めることなく使い切る。考えてみると日本でも1960年〜1970年代の、成長を信じていた時代には今の彼ら同様に貯蓄しなくても将来に心配を感じることが無かった。でも、今は消費に後ろ向き、箪笥に預金するような人も増えました」。

そうした成長を信じる明るさ、期待も投資を呼び込んでいると高田氏。

「投資は未来に対してするもの。わくわくしないものには投資しないという人が増えており、その人たちの目がフィリピンに向いています。購入する方の中には現地を見てみないと決められないという人もいらっしゃいますが、現地を見ると思っていた以上に良かったとおっしゃいます。現地を見学して購入しなかった方はこれまでのところ、いらっしゃいません」。

日本でも成長期に一時的な躓きがあったことを考えると、今後もずっと順調です、不動産価格は上がり続けますとまでは言えないものの、かなり期待できる国がフィリピンなのである。

お勧めはメトロマニラの優位性が保持できる物件

では、具体的にどのような物件が販売されているのか。

「メトロマニラを離れると30〜40?の、日本でいうところのワンルーム物件が地元の人達向けに販売されています。そうした物件を日本人向けに紹介している会社もありますが、私たちは扱っていません。500戸、1000戸と同じような物件が供給されているため、売却しようとした時に差別化できず、困るのではないかという考えからです」。

日本企業もメトロマニラには多く進出しており、買い物などにも便利
日本企業もメトロマニラには多く進出しており、買い物などにも便利

地元の人向けではなく、メトロマニラに立地する、差別化しやすい物件が中心をしているという。価格については前述したが、具体的な物件としては世界的に知られたホテル、あるいは日本企業と現地企業のジョイントベンチャーが手掛ける物件など、競争力、優位性の高い物件が中心になっている。

タイ・バンコクの中心に流れるチャオプラヤー川沿いに位置するFour Seasons Private Residences Bangkok At Chao Phraya River。地上73階建てという圧倒的なスケールの物件だ
こちらはタイ・バンコクの中心に流れるチャオプラヤー川沿いに位置するFour Seasons Private Residences Bangkok At Chao Phraya River。地上73階建てという圧倒的なスケールの物件だ

「フィリピンだとグランドハイアット、ザ・ウェスティン、タイだとフォーシーズンズなどといった世界的ブランドのホテルのネーミングを冠したレジデンス、日本の野村不動産、オリックスなどと現地企業のジョイントベンチャーなどを扱い、ご紹介しています。フィリピンの不動産市場の中では少数派の物件ということになりますが、立地もよく、最初から海外の人向けを意識したものです」。

キャピタルゲイン狙いでいえばフィリピンだけでなく、ミャンマーや、バングラデッシュなどもあり得るが、その分リスクもある。東南アジアエリアでは建物がいつまでも完成しないなどいくつかのリスクが指摘されているが、同社ではそうしたリスクがない物件を選んで扱っている。

リスクがあっても大きく狙っていくというのであれば地元の人向け物件、発展の端緒について国々を狙う手もあり、そうでなければある程度リスクを回避した上でリターンも狙うというやり方になるわけである。

日本円に不安、物件がない、だから東南アジアへ

買っているのは富裕層、経営者など。40〜50代の現役経営者などが中心で、リタイア層はそれほど多くはないとか。キャッシュで買う人が多く、2000〜3000万円までの物件では見に行かないで買う人も。これが5000万円以上になると見に行く人が増え、全体としては半分くらいの人が現地を見に行っている。

「東南アジアでは向き、階数などにこだわりを持つ人が少なく、南向きと北向き、低層階と上層階などでの価格差はほとんどありません。そのため、現地で階数による眺望の差を確認する必要はありません。また、間取りでも極端に狭い部屋や使い方に困るような間取りなどがないため、現地を見ないで買っても問題はありません」。

日本では高層階に価値があると考えがちだが、停電の多い東南アジアではあえて低層階が選ばれることもあるのだとか。投資目的で買う場合には日本の感覚を持ち込まないほうが良い投資ができるかもしれない。

フィリピンのBGCエリアにあるAURELIA RESIDENCESはデザイン性の高さが受けている
フィリピンのBGCエリアにあるAURELIA RESIDENCESはデザイン性の高さが受けている。シャングリラホテルの関連会社が手掛けており、サービスなどのクオリティにも期待ができる

逆にタイでは多拠点居住、移住、自己使用などを想定して購入も多くなっており、その場合には自分にとって快適かどうかは現地で確認したほうが良いだろう。

また、購入者の多くに共通するのは日本にも物件を所有しているという点。

「日本でも不動産投資はしているけれど、日本円だけで財産を保有しているのは不安という方や最近の日本、特に首都圏では価格が上昇しすぎており、収益が上がるものが少ない、買いたいものがないので海外に目を向けたという方が多いようです。

まあ、海外の不動産で大きく収益をというより、ポートフォリオのひとつとして長期保有を考えている人が多いのも目に付くところ。この先も家賃が上がり続けるなら、保有していたほうが良いだろうという判断だろう。

日本にも不動産を持っているだけに、海外不動産購入に当たっては法制、税制などを気にする人が多い。

「購入時、保有時、売却時の税金や法制などについてのご質問をよくお受けします」と日本で海外不動産の購入希望者の窓口となっている比留間雄大氏。

「非常にざっくり申し上げると日本とフィリピンで比較した場合、購入時、保有時の税金については日本とあまり変わりません。売却時については計算上フィリピンのほうが安くなるのですが、日本に住んでいる人には日本の税制が適用され、日本とフィリピン、どちらか高いほうの額を払うことになります。そうしたことを考えると、損得の計算というより、日本以外で、円以外で財産を保有することにメリットがあるとも言えます」。

好況な東南アジア投資だが、アフターコロナで海外渡航が容易になった現在、さらに人気が高まりそうな気配がある。日本からフィリピンは4時間ほど。大きな変化、経済発展の様子、可能性をチェック、合わせて良い物件を探しに出かけてみるのも面白いかもしれない。新しい驚きがあるはずだ。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

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