Pages

Thursday, June 9, 2022

オフィス空室5%超え 福岡市中心部…さらなる上昇も懸念 - 読売新聞オンライン

 オフィス仲介大手の 三鬼みき 商事が9日発表した5月の福岡市中心部のオフィスビル空室率は、前月より0・06ポイント上がって5・03%となった。賃料が下がる目安とされる5%を上回るのは5年9か月ぶりとなる。コロナ下で需要が減り、再開発ビルの完成で供給が増えたためだ。大型オフィスビルの開業は今後も続く予定で、空室率のさらなる上昇が懸念されている。(橋本龍二)

 延べ床面積330平方メートル以上の主要な賃貸オフィスビル約600棟を調査した。

 空室率は5月まで4か月連続の上昇となり、2016年8月(5・19%)以来の5%超えとなった。平均賃料は1坪(3・3平方メートル)当たり1万1320円で、前月より20円上がった。地域別の空室率は、祇園・呉服町地区が6・00%と最も高く、天神地区は5・78%、博多駅前地区が5・42%となった。

 空室率が上昇しているのは、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが普及し、オフィスを縮小する動きが広がっているためだ。博多区では今月に入り、大手製薬会社が営業拠点を集約してオフィスの一部を解約した。全国的な流れで、5月の空室率は東京都心が6・37%、名古屋地区は5・93%と高止まりしている。

 一方で福岡市中心部ではオフィスビルの供給が急増している。福岡市の再開発促進策「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」を契機に、ビルを建て替える再開発の動きが加速しているためだ。

 三鬼商事の調べでは、21年に開業した主要なオフィスビルは17棟で、延べ床面積が約14万4000平方メートルと、20年の約4万5000平方メートルから3倍超に増加した。19年と比べると5・5倍も増えた。

 22年も13棟がオープンする予定で、福岡市中央区の「福岡舞鶴スクエア」が3月に完成し、天神地区の大名小跡地で「福岡大名ガーデンシティ」が工事を終えるなど約15万5000平方メートルの供給を控えている。

 天神ビッグバンでは、26年の完成まで容積率緩和などの優遇措置が受けられる。24年には天神地区中心部の旧「福岡ビル」など周辺を一体開発する複合ビルが完成する予定で、大型オフィスビルの再開発計画は目白押しだ。

 オフィス仲介大手の三幸エステートの予測では、25年頃まで高水準の供給が続く見通しだ。今関豊和チーフアナリストは「供給が増え、今後も空室率の上昇は続くだろう。ただ、福岡はコロナの影響を受けにくいソフトウェア産業が盛んでオフィス需要は底堅い。新しいビルと古いビルの二極化が進むだろう」と指摘している。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( オフィス空室5%超え 福岡市中心部…さらなる上昇も懸念 - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/VQGvaNr

No comments:

Post a Comment