コロナ禍が変えるUC市場への要求
IDC Japanが2021年5月21日に発表した「国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測」では、2020年の同市場は前年比成長率8.7%、売り上げベースの市場規模が4,084億7,800万円と順調に成長していることが分かった。
2020年の特徴は、コロナ禍による三密回避の必要性から、ウェブ会議アプリケーションやコンテンツ共有アプリケーションなどの需要が急速に増加したことである。顧客や従業員の行動様式が変容することにより、ユーザー企業が根本的な働き方改革を実践し、デジタル空間での顧客エクスペリエンス向上施策を実践している。
今後のUC市場を占う上でも、テレワークの普及状況がポイントになってきそうである。
UCaaSとは何か?UCと何が違うのか
ガートナーは、UCaaSを「構内ベースのUCソリューションと同じ機能の多くを提供するクラウド配信サービス」と定義する。主に電話(テレフォニー)、会議(ウェブ会議を含む)、メッセージング、モビリティとソフトウエアクライアントといった機能である。一方で、UCaaSの調達、運用、配信モデルは、従来導入が多かった構内ベースのUCとは大きく異なると注釈している。UC、UCaaS導入のメリット
音声、映像、テキストを含む通信サービスを「統合」したIT環境を実現するUC。従業員は1つのデバイスから音声や電子メールなど複数のメディアに統合的にアクセスできるようになるため、情報の流通がスムーズになり、結果として意思決定を迅速化できる。UC導入の主なメリットは以下の通りだ。UC/UCaaS導入の主なメリット
- ユーザーがどこにいても連絡が取れる
- 電話の取り次ぎや伝言などで生じていた業務を削減できる
- 場所を問わずウェブ会議を実施できるため自由な働き方が実現
- 全従業員向け情報共有などがしやすい
ガートナーが発表するリーダー企業に大変化
ガートナーが2020年11月12日、UCaaSについて、最新のMagicQuadrantを発表している。わずか2年前の2018年と比較しても、上位評価されているソリューションベンダーが大きく入れ替わっている点に注目が集まる。2020年 | 2018年 | |
リーダー企業 | マイクロソフト RingCentral シスコシステムズ Zoom 8×8 |
Verizon RingCentral BT Orange 8×8 |
2020年のマジッククワドラントで、リーダーと分類された企業は、マイクロソフト、RingCentral、シスコシステムズ、Zoom、8×8の5社だった。
一方で、2018年に実施された同様の調査で、リーダーはRingCentral、8×8、Verizon、Orange、BTの5社だった。この際にリーダーの1社だったOrangeは「エンドユーザーのフィードバックと分析に耳を傾け、行動を起こすことがチャットボット、API統合、人工知能などの新しいテクノロジー活用し、成功するために必要」とUC市場における優位性の獲得に関してコメントしていた。
だが、わずか2年の間で、RingCentralと8×8以外は入れ替わってしまった。2018年時にチャレンジャーだったマイクロソフト、シスコシステムズが、2021年の調査ではリーダーに昇格している。Teamsがユーザー数を急増させていることが象徴的だが、やはりコロナ禍によるテレワーク需要の急拡大に対応したかどうかが、ベンダーの浮沈を分けているようだ。
からの記事と詳細 ( UCaaSとは何か?Zoomやマイクロソフト台頭で激変する、シェアトップ5社 - ビジネス+IT )
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