東日本大震災からまもなく10年--。いつ起きるか分からない災害には日ごろの備えが重要だが、小さな子がいる家庭では防災に手つかずのことも多い。育児や家事を担うママやパパをサポートしようと、レシピやオンラインイベントで「おうち防災」のアイデアを提案している会社もある。【賀川智子/東京地方部】 ◇東日本大震災時、検索ワード「パン」上昇 料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」(東京都)が2011年3月11日の震災発生当時の検索ワードの頻度をリサーチしたところ、東北地方では「パン」をはじめ、「薄力粉」「ホットケーキ」など小麦粉関連の食材の検索頻度が大きく上昇していた。 また、「フライパン」「簡単」などと一緒に検索され、水道、ガス、電気などのライフラインが整わない中で、手軽にパンを食べてしのごうという住民が多くいたことが分かったという。 ◇在宅避難者、悩みは日々の食事の準備 さらに、同社は19年3~4月、全国のクックパッド利用者のうち、在宅避難経験者1191人にアンケートをした。それによると、在宅避難で最も課題に感じたことは「食・水の確保」で、39・6%だった。次いで「トイレ」が15・7%、「情報収集」が11・3%と続き、在宅避難者の多くが日々の食事の準備に悩んでいたことがうかがえた。 同社ではライフラインが制限された状況下で役立つ食に関する情報をまとめた「災害時にも役立つレシピ集」(https://news.cookpad.com/articles/series/220)を公開している。 少ない食材や器具で手軽に調理ができるレシピを状況別に見ると――。 ▽ガスや電気などのライフラインが使えない時には「♪♪maron♪♪」さんの「防災食♡鯖(さば)オリーブマヨ和(あ)えキャロットラペ」(https://cookpad.com/recipe/6020426) 【材料】鯖の水煮缶1缶、ニンジン1本、マヨネーズ大さじ2程度、オリーブオイル大さじ1程度、塩・コショウ各少々 【作り方】ポリ袋に水切りした鯖の水煮、マヨネーズ、オリーブオイルを入れて鯖をほぐしながらもむ。袋にニンジンをピーラーでスライスしながら入れて全体をもみ、塩・コショウで味を整えて完成する。日持ちしやすいニンジンと缶詰で作れる栄養満点の一品 ▽火が使える時は、水を使わずにできる温かい汁物、「まじゅじゅ」さんの「災害時に役立つ無水コーンクリームシチュー」(https://cookpad.com/recipe/6026913) 【材料】キャベツ1/2玉、ホールコーン缶1缶、クリームコーン缶1缶、コンソメ(チキンコンソメ・ブイヨン可)キューブ1個(顆粒小さじ2)、塩・コショウ各少々 【作り方】キャベツの切り口側を下に置き外側から芯に向かって2センチ幅の斜めに切り、フライパン(または鍋)に入れる。コンソメ、塩・コショウを入れ、クリームコーンとホールコーンをつけ汁ごと入れて、アルミホイルでしっかりとふたをする。中火で10分加熱し、軽く混ぜて完成 ▽ポリ袋に材料を入れてお湯に入れるだけで作れる「ハリーねずみー」さんの「超簡単!ポリ袋deオムレツ」(https://cookpad.com/recipe/6006122) 【材料】卵2個と牛乳50㏄、粉チーズ大さじ1、塩・コショウ各少々 【作り方】大きめの鍋にたっぷり水を入れ、お皿を鍋底に敷いて沸騰させる。材料全部をよく混ぜてポリ袋の中に入れ、空気を抜いて口を縛る。袋を鍋に入れて弱火にし、10分ほど湯煎したら完成。洗い物が少なくて済み、朝食にも良い ▽同じく火が使える時にポリ袋に入れてできる、非常時に検索数の上がるパンのレシピでは「ぽさ*ぽさ」さんの「HM&フライパン☆簡単コーンパン」(https://cookpad.com/recipe/2132301) 【材料(6個分)】ホットケーキミックス200グラム、油大さじ1、塩2つまみ、牛乳50グラム、コーン60グラム 【作り方】ポリ袋に全ての材料を入れて混ぜ、6等分にして丸め、少し平らにする。フライパンを弱火にかけ、6個を入れてふたをして7~8分焼く。ひっくり返して3分焼いて完成。おやつにも主食にもぴったり クックパッドの担当者は「住み慣れた自宅で生活し、かつ自分や家族がほっとできる家庭料理が食べられる環境を整えることは、日常を一日でも早く取り戻すための足がかりになのでは」と話す。 ◇「日常生活に防災機能を」明治がオンラインイベント また、災害時を想定して開発された乳児用ミルクブランド「明治ほほえみ」を発売する明治は3月5日、乳幼児のいるママ向けに、日常生活の中に防災機能を組み込む「フェーズフリー」などを学ぶオンラインイベントを開く。 「フェーズフリー」は、日常生活の中に防災機能を組み込んで、日常時と非常時の壁を取り払うという概念で、防災の新たな考え方として注目されている。 ◇防災の備蓄「全くできていない」が4分の1 イベント開催にあたり、明治が乳幼児のママたち1137人に聞いた事前アンケートでは、「防災の準備や日用品の備蓄についてどのくらいできていると思うか」の質問に、26・3%が「全くできていない」と回答し、62・5%は「多少はしているが十分ではない」と答えた。 ◇「何を備蓄していいか分からない」 その理由として「何を備蓄していいか分からない」という回答が最も多く、次に「子どもに合わせて準備するのが大変」が続き、「備蓄用品を保管する場所がない」「お金がかかる」「忙しくて準備をする時間がない」という声もあった。 新型コロナの感染拡大が続く中で防災意識は高まっているものの、情報不足や忙しさなどで実際に十分な備蓄まで手が回らないママたちの現状が浮かんだ。 イベントでは、防災・危機管理・地域活性アドバイザーで一般社団法人「フェーズフリー協会」代表理事の佐藤唯行さんが「フェーズフリー」という概念を説明する。その後、フェーズフリーを実践する建築家で「ゆくり設計室」代表の松山千晶さんの自宅をライブ中継しながら、自宅で簡単にできるアイデアを伝授してもらう。 ◇参加型ワークショップも また、親子防災の専門家で「子連れ防災手帖」などの著書があるNPO法人「ママプラグ」理事の冨川万美さんらによる参加型のワークショップも開かれる予定。担当者は「非常時、日常時に関わらず特別なケアを必要とする赤ちゃんとママの安全な暮らしを守っていきたい」と話す。14時~15時10分。視聴希望者は動画投稿サイトのユーチューブライブで視聴できる。 視聴用URLはhttps://youtu.be/IBThcpnhDUY。
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