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Sunday, March 28, 2021

【甘口辛口】聖火リレーの大義名分とは何か 米NBC電子版への寄稿文の急所をつく指摘 - サンケイスポーツ

 ■3月29日 これが同じ日本国内の現象なのか。よく考えると不思議でならない。東京都の430人をはじめ新型コロナウイルスの新規感染者は26日に国内で再び2000人を超えた。小池都知事は「リバウンド防止。お花見や宴会は控えて」と不要不急の外出自粛を改めて訴えるなど、都市部にも地方にも第4波の影が忍び寄っている。

 一方では東京五輪の聖火リレーが25日に福島を出発した。「五輪開催」を世界にアピールしたはいいが、福島市や郡山市では沿道の人の列が何重にもなってテレビで見ていてハッとするような密状態だった。密予防が最大の課題だが、どれくらい人が集まるのかきめ細かく事前調査を行っているのだろうか。

 そんな折、五輪に莫大(ばくだい)な放映権料を払っている米NBCが電子版に「聖火リレーはやめるべきだ」との衝撃的な寄稿文を掲載した。出発点が原発事故の被災地、福島であることで「この儀式の偽善や害悪、不条理さを際だたせただけでなく五輪に向けて突き進む日本の問題を象徴している」。

 筆者の政治学者、ボイコフ氏はサッカーの元五輪米国代表。「聖火リレーは五輪の虚飾のため公衆衛生を犠牲にする危険を冒している」と言及した。急所をつく指摘。「密が解消しなければ、その区間はスキップすることもある」などと、およそリレーとは言いかねる珍妙な対策まで飛び出した聖火リレーの大義名分とは何かと考えさせられる。

 聖火リレーが始まれば開催機運が盛り上がる。果たしてそうか。スタート早々トーチの聖火が2度も消えた。種火から移して火はつながっても、一緒に五輪に向けて走り出すはずの人々の心はなかなかつながりそうもない。(今村忠)

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