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Saturday, February 6, 2021

5月1日 誕生20周年 さいたま市民憲章 制定へ 審議会の案を市に提出 - 東京新聞

清水市長(右)に憲章案を提出する轡田さん(左)と横道会長=さいたま市役所で

清水市長(右)に憲章案を提出する轡田さん(左)と横道会長=さいたま市役所で

 五月一日に誕生二十周年を迎えるさいたま市に、ようやく「市民憲章」と「市民の日」が制定される見通しとなった。合併前の旧四市間の地域文化の違いや、機運の盛り上がりに欠けたことなどから後回しになっていたが、「記念の年に市民の思いがこもったものを」と議論が再燃。内容の検討を重ねてきた憲章審議会(会長=横道清孝政策研究大学院大学理事・副学長)の案が一月、清水勇人市長に提出された。 (前田朋子)

 憲章は街づくりの基本理念を表現するものとして各自治体が制定している。さいたま市は二〇〇〇年に浦和・大宮・与野の旧三市が交わした合併協定書に「新市において検討する」との取り決めがあった。

 合併後の市議会ではたびたび「制定すべきだ」との声が上がり、市当局も「望ましい」「検討する」などと答弁してきた。市制十周年を迎える〇九〜一〇年ごろにも協議されたが立ち消えに。当時を知る市議らは「まだ四市のあつれきも色濃く残っていた」と振り返る。二十周年を前にした昨年、「市民の心のよりどころが必要。三十周年(を機に制定)では遅すぎる」と議論が再燃。初めて予算もつき審議会を設置、学識経験者や公募の市民が議論してきた。

 審議会では、市民参加のタウンミーティングなどで集まった声を基に「自然が豊か」「スポーツが盛ん」など市のパブリックイメージを共有。盛り込む内容や表現方法の検討を重ね、中央区在住で文筆家の轡田隆史(くつわだたかふみ)さんが何度も改稿してまとめ上げた。

 完成した憲章案は、前文と一行三十三文字でそろえた条文で構成。街の特色や市民が志すべきことについて、具体的な文言を盛り込みすぎず、「読む人が想像力を働かせることによって完成する膨らみのある表現」(轡田さん)となった。

 市は憲章案を市議会二月定例会で報告し、新年度にはパブリックコメントを募集。今秋ごろ予定の記念式典で発表する方針だ。同じく決まっていなかった「市民の日」も、五月一日とする議案を二月定例会に提出している。

◆さいたま市民憲章(案)

 おおらかな荒川の流れと、見沼田んぼが豊かに広がる武蔵野のみどりにいだかれたさいたま市は、街道や鉄道のかなめとしてにぎわい、歴史をかさねてきました。先人たちはここに集い、学び、祈り、美しさと深い味わいをたたえた独自の文化を育て、教育やスポーツのさかんな風土を培ってきました。このまちを誇りとし、ともに時をかさねる私たちさいたま市民は、だれもが自分らしく生きてゆける社会を築きたいと願い、このまちを未来につなぐ確かな道しるべとして、ここにさいたま市民憲章を刻みます。

私たちは、

 まちの歴史や伝統を受け継ぎ豊かにはぐくんで、明日の世代に伝えます。
 小さないのちの大きな未来を信じて、子どもをみんなで支えてゆきます。
 みずから学び言葉をみがき、新たな挑戦を志し、自分を耕しつづけます。
 深く思いやり、広く理解し手をとりあって、ちがいを力にしてゆきます。
 空も水も、草木も花も里山も、ともにある美しい都市を創ってゆきます。

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