「CPU」(中央演算処理装置)もしくは「マイクロプロセッサ」は、OSの機能の根幹を支えている。いずれも論理演算や算術演算、データ処理、I/O操作など、コンピュータに不可欠なタスクを実行する。CPUとマイクロプロセッサの違いは分かりにくく、一部のIT管理者はCPUとマイクロプロセッサを同じ意味の言葉として使っている。だが厳密には、CPUとマイクロプロセッサの意味は異なる。
混同されがちなCPUとマイクロプロセッサの違いを理解するために、まずはそれぞれが何を指すのかを詳しく見ていこう。前編はまず、CPUの基本的な役割や仕組みを整理する。
基本的な命令(インストラクション)を受け取って処理し、コンピュータを稼働させる装置がCPUだ。基本的な論理演算や算術演算、I/O操作など、インストラクションの大部分を解釈し、処理する役割を担っている。コンピュータ内の他のコンポーネントにインストラクションを自在に割り振ることもできる。
CPU内にはさまざまなコンポーネントがあり、CPUはそれらのおかげで各種インストラクションを処理できる。CPU内のコンポーネントには
- ALU(算術論理演算装置)
- FPU(浮動小数点演算装置)
- レジスタ
- CPUの高速処理を実現するために、CPUに近い場所に設置する記憶装置
- キャッシュメモリ
- メインメモリのデータ読み出しを高速化するために、CPUが頻繁に利用するデータを一時的に記憶する装置
などがある。こうしたコンポーネントの助けを借りて、CPUはインストラクションの
- フェッチ(取り出し)
- デコード(解読)
- 実行
といった機能を果たせる。フェッチのステップでコンピュータのメインメモリからインストラクションを取り出し、デコードのステップでインストラクションを基に、処理を続けるのにCPUのどの部分が必要かを理解し、実行のステップで実際に処理する。
現在のほとんどのCPUは「マルチコアCPU」だ。マルチコアCPUは、処理速度の向上、消費電力の低減、複数タスクの同時処理を目的に、2つ以上の「コア」(CPU内部の演算回路)を備えるCPUを指す。一般的にマルチコアCPUは、シングルコアCPUよりも高速な処理速度を実現できる。
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