7月5日に行われる東京都知事選。小池百合子知事が唱えた「満員電車ゼロ」の公約は、コロナウイルスの影響により皮肉にも一時的に達成される形となった。しかしそれもつかの間、緊急事態宣言解除とともに客足は徐々に回復し、普段の満員電車の様相を取り戻そうとしている。満員電車という社会課題の解決は、令和の時代になっても都市鉄道における大きなテーマとして立ちはだかっている。 そんな中、ビジネスワードとして流行している「ダイナミックプライシング(以下、DP)」を使って電車の混雑を解消するという考え方もある。DPは航空券やスポーツチケットなどでも近年広く取り入れられるようになった。
■鉄道会社の収益源に 私は昨年、人工知能によるDP事業を行うメトロエンジン社(東京・港区)を訪問し、少しずつではあるが鉄道におけるDPの可能性を見据えているという話が聞けた。DPは社会課題の解決という側面だけではなく、鉄道の新たな収益源の一つにもなりうる。 現在の運賃制度には回数券・割引切符などの形での「値下げ」はあるものの、ラッシュ帯の運賃が2倍に「値上げ」するようなことはない。そもそも現状のルールでは、「上限運賃制度」が適用され、あらかじめ認可を受けた金額以上に運賃を定めることができない。そして、その運賃の根拠も決められたコスト計算のもとに成り立っている。では上限運賃制度を考慮しない場合に、どのような運賃制度が考えられるだろうかを見ていきたい。
将来的なDPの理想像としてはICカードを改札にタッチしたときに自動的にその料金が引かれたり、あるいはネット上の経路検索の時点で検索結果と同時に金額が表示され、その場でクリックして乗車する列車を予約・決済したりするといったイメージだ。 しかし、現段階ではかなり飛躍的な考えであり、その前段として以下の制度を検討してみた。 ■時間帯、エリアなどで料金を変動 1)時間制DP 時間帯を区切って金額を分ける方法だ。ニューヨークやシンガポールの地下鉄では時間帯による割引制度が導入されており、改札の入場・出場時間で区切る。そこへ割引だけではなく、値上げできるような仕組みを乗せる。加えて、事前に乗車する列車を決めればさらに高い値引きを得られる仕組みも検討できる。ちなみに現在、東京メトロで行われている「メトポ」はオフピーク通勤することでポイントが貯まり、それをPASMOにチャージすることで実質的な値下げを実現している。
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June 17, 2020 at 01:20PM
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満員電車ゼロへの秘策?「変動運賃」とは何か(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
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