菅野みゆき
捕鯨母船「日新丸」(8145トン)が23日、広島県尾道市・因島(いんのしま)の母港から最後の航海へ出発した。30年以上にわたり活動してきたが、老朽化により11月の操業終了後に引退、廃船となる。後継は山口県下関市で建造が進む「関鯨丸(かんげいまる)」で、2024年3月に完成する予定。
日新丸は共同船舶(東京)所有の全長約130メートル。この日は甲板で出港式が開かれ、「蛍の光」が流れて紙テープが飛び交う中、岸を離れていった。
日新丸は尾道市因島土生町の旧日立造船因島工場(現・ジャパンマリンユナイテッド因島事業所)で建造された。捕鯨船団を指揮し、捕獲したクジラを船上に引き揚げて解体、保管する役目を担ってきた。
調査捕鯨では南極海などで、19年の商業捕鯨再開後は日本の排他的経済水域(EEZ)で操業。船内での2度の火事のほか、反捕鯨団体から襲撃を受けたこともあった。
阿部敦男船団長(60)は「環境保護団体からの妨害を受けるなど困難ばかりだったが、最後まで母船としての役割を果たしている船なので思い入れがある。気を引き締めて、安全第一に力を尽くす」と話した。共同船舶の所英樹社長は「調査捕鯨の象徴のような船。長年よく頑張った。一つの時代が終わったように感じる」と船を見送った。(菅野みゆき)
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