福島県浪江町が町内津島地区の特定復興再生拠点区域（復興拠点）内に整備を進めてきた町営の福島再生賃貸住宅「津島住宅団地」が完成した。１８日に現地で記念式典が行われた。町内の復興拠点内に公営住宅が完成するのは初めて。
住宅団地は木造平屋１０戸（３ＬＤＫ８戸、２ＬＤＫ２戸）。住民同士の交流を深めるため、全戸にウッドデッキ、広場にはあずまや、ベンチを設けた。寒冷な津島地区の気候に対応するため断熱性能を高めた。太陽光発電を活用した給水システムを導入し、災害発生時でも水を確保できるようにした。
記念式典では吉田栄光町長があいさつし、平本佳司町議会議長らが祝辞を述べた。吉田町長が入居者代表の石井絹江さん（７１）に鍵のレプリカを手渡した。
石井さんは津島地区から福島市に避難し、避難先で農園を営む。避難指示解除後は古里でエゴマなどを育てる予定だ。「ようやく戻れる。津島の地にゆっくりと足をつけて頑張りたい」と帰還を心待ちにしている。
復興拠点の避難指示は３１日に解除される。津島住宅団地には現在、３戸の入居が決まっている。町は２４日まで残る７戸について入居者を募集している。問い合わせは町住宅水道課住宅係へ。
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