――虎ノ門ヒルズ（東京都港区）が今秋、グローバルビジネスセンターとして完成する
「4棟目のステーションタワーが開業することでオフィス、ホテル、住宅、文化・商業施設といった都市機能を高度に複合させたコンパクトシティーが東京の真ん中に誕生する。羽田空港とのアクセスが飛躍的に向上することもあってグローバルで活躍する企業・人々に選ばれるヒルズ（街）になる」
インタビューに応じる森ビルの辻慎吾社長＝東京都港区（酒巻俊介撮影）――麻布台ヒルズ（同）も同時期に開業を控える
「ヒルズの未来形として最新技術を取り入れ、ライフスタイルの変化にも対応して街づくりに挑んだ。新型コロナウイルス禍前にコンセプトとして『グリーン＆ウェルネス』（緑と健康）を掲げ、緑地面積は、6000平方メートルの中央広場を含む2万4000平方メートルを確保。慶応大学病院予防医療センターも誘致した。共同研究にも取り組み、健康で豊かに生きるための医療の進歩に貢献したい。今や健康と環境は避けて通れない。都市づくりの世界的モデルになり得る」
――東京は世界から選ばれる都市になり得るのか
「世界における都市間競争で負けると、日本全体が地盤沈下するという危機感を持つべきだ。東京のポテンシャルは高いので、住む・働く・憩う・学ぶ・遊ぶに加え、緑も多いヒルズは外国人に支持されるはずだ。2つのヒルズが完成することで世界からヒト・モノ・カネを引きつける磁力が高まる。しかも六本木（同）、麻布台、虎ノ門などが連なっており、国際間競争を勝ち抜ける」（松岡健夫）
つじ・しんご 横浜国大大学院工学研究科建築学専攻修了。昭和60年森ビル入社。平成18年取締役、常務、副社長を経て23年から現職。広島県出身。
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