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Saturday, February 18, 2023

九州豪雨で被災 元箱根駅伝走者の球磨村職員が再起の熊本城 ... - 読売新聞オンライン

 2020年7月の九州豪雨で祖父と自宅を失った元箱根ランナーが、19日に熊本市で開催される熊本城マラソンで再起を図る。第1回と第2回大会で連覇を果たした熊本県球磨村職員の 地下ぢげ 翔太さん(34)。新型コロナウイルス禍で3年ぶりに開催される大会は、被災後初めて参加するマラソンとなる。村民とともに災害を乗り越えてきた姿をレースで表現するつもりだ。(坂田元司)

 15日早朝、生まれ育った同村の集落を走り抜け、道沿いに重機が並ぶ国道219号から高台の総合運動公園へ。建設中の災害公営住宅は夏までに完成する。「住まいの再建が見えてきた。次は復興、にぎわいだ」

 小学校で陸上を始め、上武大4年の時に箱根駅伝でアンカーを務めた。卒業後の11年、村役場に就職。12年の第1回熊本城マラソンで2時間23分41秒のタイムで優勝し、翌年は4分以上記録を更新した。

 20年7月4日の豪雨で生活は一変した。球磨川が氾濫し、総合運動公園で被災者の受け入れに奔走する中、気がかりだったのは、村の特別養護老人ホーム「千寿園」で暮らす祖父、末行さん(当時91歳)の安否だった。施設は水没し、末行さんら入所者14人が亡くなった。

 自宅は2階まで水につかり、愛用のシューズも流された。走るのをあきらめかけた頃、高校陸上部の先輩から新品のシューズが届いた。熊本県人吉市の借家を転々としながら、早朝にランニングの時間をつくった。昨年4月に村内に自宅を再建し、役場では復興推進課で被災者の声に耳を傾けてきた。

 今回は優勝を狙えるほどの練習はできておらず、8位入賞を目標に掲げる。浸水した自宅2階のタンスに残っていた初優勝時のウェアに、11年ぶりに袖を通す。「災害に負けず頑張ってきたことをマラソンで表現したい」と意気込んでいる。

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