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Sunday, March 15, 2020

『バンクシー展 天才か反逆者か』とは何か? - カーサ ブルータス

3月15日から横浜〈アソビル〉ではじまった『バンクシー展 天才か反逆者か』。主催者自ら「AN UNAUTHORIZED EXHIBITION(無許可の展覧会)」と称する展覧会とは果たしてどのようなものなのか。詳細をレポートします。

展覧会は、バンクシーのアトリエを再現した一角からはじまる。
2018年からモスクワ、マドリード、リスボン、香港など世界5都市で開かれ、すでに100万人を動員している『バンクシー展 天才か反逆者か』が、この度、日本に上陸した。

この展覧会を、主催者は「AN UNAUTHORIZED EXHIBITION(無許可の展覧会)」と呼ぶ。本展覧会のプロデューサーであるアレクサンダー・ナチケビアが「私はバンクシーと面識はない」と言う通り、公式認証機関「ペストコントロール」に許可を得たものではなく、外部のキュレーターが収集家のコレクションを集めて展示するものだ。

展示作品は70点以上。メインはスクリーンプリントだ。

20年以上ストリートを自らの戦場として活動を続けてきたバンクシー。彼自身がこのように美術館やギャラリーで作品を展示したことは、実はほとんどない。好戦的な指導者として知られたチャーチル元首相の髪の毛を芝生のモヒカンにしてイースト・ロンドンの倉庫に掲げ、当時開戦していた「湾岸戦争(ガルフ・ウォー)」の殺戮行為を非難した「ターフ・ウォー」や、美術館に忍び込んで自身の作品を100以上展示し、アートの舞台を乗っ取った「バンクシーvs.ブリストル・ミュージアム」。このようにあるメッセージを持ってゲリラ的に自身の作品を集めたもの以外は、バンクシーは美術界の権威とは距離を置き、むしろ反対する立場を取ってきたのだ。「チャールズ・サーチ(サーチ・ギャラリーのオーナー)に作品を売ることはこれからも決してない」と断言した言葉からも、それは明らかだ。

版画の型を用い、作品が作られる様子を再現した「モキュメンタリー(ドキュメンタリー風再現)」映像も。
バンクシーは自身が関与していない展覧会を公式サイトで「FAKE(フェイク)」という言葉を添えてリストアップしている。本誌3月号の特集「バンクシーとは誰か?」では、日本にやってくる巡回展についてペストコントロールに質問したところ、こう回答した。

「海外を巡回している展覧会の中で展示している作品は、おそらくペストコントロールが認証した本物の作品も含まれていると思われます。しかし、展覧会自体は、バンクシー本人が関与しているものではなく、バンクシーの合意なしに企画・運営されているものです」

またナチケビア氏に確認したところ、本展覧会の収益がバンクシーに支払われることはないという。

2009年に行われた『バンクシーvs.ブリストル・ミュージアム』にて実際に展示されたポスター。

以上の事実をふまえた上で、展示作品を見ていきたい。この展覧会のために集まった作品は70点以上。展覧会の構成はいたってオーソドックスで、自身が監督した映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』にも登場するバンクシーのアトリエを再現したコーナーから始まり、バンクシーが掲げる「消費」「政治」「警察」「抗議」「戦争」「ネズミ」などのテーマ別に作品が展開されていく。そして、ときに世界で話題を呼んだ”bemusement park(混乱を呼ぶテーマパーク)”〈ディズマランド〉が開催されたときの写真や映像、パレスチナに作られた"世界一眺めの悪いホテル"〈THE WALLED OFF HOTEL〉の一室を再現した箇所が現れる。スクリーンプリントを中心に、オリジナルの作品や版画の型、立体オブジェクト、映像など、その形式も様々だ。

《PRINTING PLATE BOMB LOVE》(2003)爆弾を抱える少女を描いたステンシル作品《BOMB LOVE》の、貴重なオリジナルプレート。無邪気さと純粋さ、戦争の恐ろしさを象徴する作品。

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