石川県の馳浩知事は25日の会見で、輪島市南志見(なじみ)地区で整備を進める木造長屋の仮設住宅「熊本モデル」が、30日に初めて100戸完成すると発表した。知事は、6月末までに各市町が求める必要戸数の8割にあたる5千戸の仮設住宅が完成する見通しを示した。
熊本モデルは2016年の熊本地震の際に採用された仮設住宅。従来のプレハブ型よりも耐久性が高く、入居期間2年間が過ぎた後でも公営住宅として転用できる恒久的な住まいとしての活用が期待できる。長屋のため、コミュニティーごとの入居も可能という。
今回の長屋は1~3DKの間取りを用意。一部の部屋では車いすの住民が利用しやすいようにバリアフリー化した。県産材を使い、屋根には黒瓦を採用した。
◆必要な全6421戸は8月中に完成へ
県によると、仮設住宅の必要戸数は25日時点で6421戸。4月末までに5687戸を着工し、うち3368戸が完成する見通し。このペースで建設が進めば、目標とする8月中にも必要戸数の完成と入居が見込める。知事は「住まいの確保が不可欠。一日でも早く入居できるよう取り組む」と述べた。
断水状況は、23日時点で同県の輪島、珠洲両市と能登町の計4460戸で続いている。県は、輪島、珠洲両市で5月末、能登町で4月末に復旧する見込みとしている。(広田和也)
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