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Thursday, December 21, 2023

東大現役合格組の夜の学習時間の短さに驚いた! 「勉強は睡眠で完成する」の信ぴょう性(黒川 伊保子) - 現代ビジネス

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子どもの脳の育て方③前編
いわゆる「人の言うことを聞く、いい子」ではなく、好奇心と意欲が旺盛で穏やかで温かい。おっとりしているが決断は早い。集中力があり、質問力が高い。そんな「しあわせ脳」をつくるには?
これからの子育てへのヒントだけではなく、自分の脳のメンテナンスにも最適な『子どもの脳の育て方』より、知識を身につけるときの睡眠の重要性についてご紹介。

脳は眠っている間に進化する

では、あらためて、眠りの効能について話そう。

脳は、眠っている間に進化する。そう、私たちの脳は、眠っている間に、よくなっているのだ。よく眠る=頭がよくなる&背も伸びる――という、子育ての公式があるのである。

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脳には、海馬と呼ばれる器官がある。記憶と認識をつかさどる器官で、知識データベースにして、知識工場でもある。

海馬は、脳の持ち主が起きている間は忙しい。私たちは、常に周囲を認識し、なにかしら考えているでしょう? ぼうっとしているときでも、周囲の音や気配を感知しているし、座禅で無我の境地になれと言われたって、雑念がなかなか消えないのは、経験者なら誰でも知っているはず。

このため、海馬が知識工場になる(知識を整理したり、センスを作り出したり、新たな記憶を定着させたりする)のは、脳の持ち主が眠っている間なのである。

勉強して、知識を詰め込んでも、寝るまでの間は、脳に一時的にキープされたデータにすぎない。寝ている間に、海馬は、起きている間の出来事を反芻して吟味し、記憶として定着させたり、ほかの記憶と統合整理して抽象化し、センスを作り出したりもする。

学校の勉強は、最初から「知識」のかたちで習う。けれど、これもまた海馬が整理して知識化するまでは、脳にとっては短期間キープされる記憶にすぎない。引き算を習った晩、子どもの脳は、引き算の構造を知識化する。足し算の知識と照らし合わせているうちに、数の世界の簡潔な美しさに目覚めたりする。そこには、教師や親の想像を超える知の営みがある。

「勉強」は、睡眠によって完成する。勉強を超える奥深い知性も、日常に役立つ生活の知恵も、睡眠中に作られる。

子どもの安らかな睡眠の確保は、親の重要な義務だってこと、わかっていただけましたか?

ちなみに、海馬は、脳の持ち主が生きている限り働き続ける。アイデアやインスピレーションを生み出すためには、成長期でなくとも、夜ごとの海馬の支援は重要だ。各界のプロフェッショナルが発揮している勘やイマジネーションも、海馬が働かなくては維持できない。

だから私は、アイデアが出なくなったら潔く眠ることに決めているのだが、アーティストやデザイナー、事業家や学者などの中には「考えに詰まったら寝る。寝起きに必ずアイデアが浮かぶ」という人はかなり多い。眠る、というのは、かなり高度で上質な知の行為なのである。

昔からのことわざで、「果報は寝て待て」とはよく言ったものだ。別のことわざに「下手の考え休むに似たり」というのがあるが、脳科学的見地からしたら「下手の考え休むに劣る」が正解。休むと同じどころか、休んだほうがずっと賢いのだから。

教え子たちの学習時間を調べた、ある高校の先生は、「東大現役合格組の夜の学習時間の短さに驚かされた。皆、よく眠っているんです」と証言している。私が人工知能の研究機関で一緒になった数学者たちにも、「夜中に勉強したことがない」という人がけっこういて驚く。「眠っている間に、難問が解けるしね」という理系人も多い。

私にも、受験勉強をしていた頃、解けなかった物理や数学の問題が眠っている間に解けた経験が何度もある。眠っている間にも、脳は働いているんだなと思ってたけど、「眠っている間だからこそ」だったわけだ。

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