森ビルは８日、東京都港区で開発中の複合施設「麻布台ヒルズ」を、１１月２４日から順次開業すると発表した。高さ３３０メートルの超高層ビル「森ＪＰタワー」を中核として、オフィスや住宅、ホテル、ミュージアムなど多彩な機能を備え、国際色が豊かな街を目指す。
森ビルの辻慎吾社長は８日の記者会見で、「緑に包まれた広場のような街となった。麻布台ヒルズの誕生は、東京をさらに魅力的な都市にしていくための挑戦の始まりだ」と強調した。
森ＪＰタワーは６４階建てで、東京タワー（３３３メートル）とほぼ同じ高さになり、大阪市の「あべのハルカス」（約３００メートル）を抜く。東京駅の近くで三菱地所が手がける約３９０メートルのビルが完成する２０２７年度まで、高さ日本一のビルになる。オフィスや商業施設に加え、慶応大の予防医療センター、高級ホテルのアマングループが運営する住宅、都心で最大規模のインターナショナルスクールが入る。
総事業費は約６４００億円になる。一帯の面積は８・１ヘクタールで、中心に緑が豊かな広場を設け、周辺にカフェやレストラン、高級品ブランド店などが並ぶ予定だ。外国人観光客にも人気のデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス」は、東京・お台場から移転し、来年１月にオープンする。エリア全体の来場者数は年間で約３０００万人を見込んでいる。
一方、オフィスの延べ床面積は約２１万平方メートルで、約２万人が働くことを想定している。入居率は現状で約５割にとどまっており、森ビルは今年度中に１００％に近づけたい考えだ。３棟の高層ビルのうち、１棟は工期が大幅に遅れており、全面開業の時期は未定だという。
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