
中部圏と世界約170の国と地域を結び、地域にとって最大の物流拠点であるのが名古屋港だ。輸出と輸入を合わせた総取扱貨物量は昨年まで19年連続日本一だ。コンテナ貨物、ばら積み(バルク)貨物、完成車などをバランスよく取り扱うが、中でも自動車出荷台数は42年連続で全国トップを維持している。今年5月には念願の名古屋第二環状自動車道(名二環)が全線開通し、港運と陸運の連携も、さらなる進展が期待されている。 ■日本一の港 名古屋港は名古屋、東海、知多、弥富、飛島の4市1村にわたる総合貿易港だ。総面積は陸上施設と停泊水域を合わせ124平方キロメートル。名古屋市の面積の約3分の1に相当し、その臨海地区は東京都と横浜港の合計面積よりも広い。2020年の総貨物取扱高は1億6855万トンで19年連続の全国1位、外国貿易のうち輸出額は10兆4138億円で22年連続1位と、名実ともに「日本一の港」である。 名二環全線開通で後背地である中部圏の工業地帯とのアクセスが一段と良くなり、今後のさらなる発展が期待される。
名古屋港は4市1村が関わるという特殊な立ち位置から、管理運営は愛知県と名古屋市を母体とする名古屋港管理組合が担う。港の開発・運営から将来計画の策定、船舶に対する諸サービスまで、多岐にわたる業務を行っている。 同組合は今年9月8日、設立70周年を迎え、記念式典を開いた。式典では鎌田裕司専任副管理者が、管理者の河村たかし名古屋市長に代わり「今後も中部圏のものづくり産業を支える国際産業戦略港湾としての整備に向け、港の強靭化やカーボンニュートラル・ポートの実現に貢献していく」と述べた。 ■機能の強化 整備計画では、国土交通省とともに飛島ふ頭、金城ふ頭の強靭化と港湾物流機能の強化が進められている。 飛島ふ頭では「NCBコンテナターミナル」の岸壁を再整備している。近年、東南アジア向け輸出の拡大に対応して、コンテナ船の大型化が進行。その大型船が着岸できるよう、岸壁の増深工事が進められている。 また、ガントリークレーンの大型化も必要となるため、その重量や南海トラフ地震にも耐えて、港湾機能を維持するため、岸壁強靭化も同時進行している。工事は2年後の23年中に完成する予定だ。
一方、金城ふ頭では、完成自動車輸出用に約1万台分のモータープール(16・3ヘクタール)を整備する。あおなみ線・金城ふ頭駅の南東部分を新たに埋め立てて用地を造成、岸壁も新設する。 ■しゅんせつ 港湾内は航路の安全確保のために継続的なしゅんせつが不可欠だ。その土砂はこれまで、港沖合のポートアイランドに仮置きされていたが、今年5月、中部国際空港沖の埋め立てに利用することが決まった。 港の安全性確保と、空港の2本目滑走路用地の造成が同時に進められると、港湾、空港双方の関係者から期待が寄せられている。
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