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Tuesday, September 21, 2021

地価調査 大阪の商業地9年ぶり下落 外国人旅行者大幅減続き|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

都道府県によることしの「地価調査」が発表され、新型コロナウイルスの感染拡大で外国人旅行者の大幅な減少が続いている影響で、大阪の商業地は9年ぶりに下落に転じました。
このうち、大阪・ミナミの土地は去年の調査からマイナス18%となり、全国の商業地で最も下落率が大きくなりました。

「地価調査」は、都道府県がことし7月1日時点の土地の価格を調べたもので、大阪府では689地点が対象になっています。
それによりますと、大阪府全体の商業地の地価は、新型コロナウイルスの感染拡大によって外国人旅行者の大幅な減少が続いていることから、マイナス0.9%となりました。
大阪府の商業地が下落に転じたのは9年ぶりになります。
地点ごとにみると、▼大阪・ミナミの土地で、中央区宗右衛門町の「デカ戎橋ビル」がマイナス18.5%と、全国の商業地で最も下落率が大きくなりました。
次いで、▼同じくミナミにある中央区難波3丁目の「ECS第32ビル」は、マイナス16.6%で全国2位の下落率でした。
一方、大阪の商業地で地価が最も高かった地点は、梅田にある「グランフロント大阪 南館」で、1平方メートルあたり2250万円でした。
また、大阪府全体の住宅地はマイナス0.2%と、2年連続の下落となりました。

【不動産鑑定士“下落傾向続くのではないか”】。
大阪府の地価調査を担当した山内正己 不動産鑑定士は、「インバウンド需要が消失したことで店舗の売り上げが減少し、それに伴って家賃も下がっている。このため、商業地への投資は手控えられる状況が続き、大幅な下落となっている」と指摘しています。
そのうえで、今後の見通しについては、「ことしいっぱいは飲食や宿泊、観光などの業種で売り上げが回復しにくい状況が続くので、地価についても同じ傾向になるのではないか。また、大阪府に外国人旅行者が、ひとつきで100万人ぐらい訪れていた状況が回復するかどうかはまだ不透明だ」と述べ、当面、大阪の商業地の下落傾向は続くのではないかという見方を示しました。

【下落率最大 ミナミの飲食店は】。
地価の下落率が全国で最も大きかった大阪・ミナミにある飲食店は、外国人旅行者が減少する中、地元住民を対象にした戦略に切り替えて売り上げの減少を何とか食い止めようとしています。
大阪市に本社のある創業20年余りのたこ焼きチェーンの道頓堀店は、地価の下落率が全国で最も大きかった大阪・ミナミの調査地点と同じ一角にあります。
この店には、国内外から多くの観光客が訪れ、新型コロナウイルスの感染拡大前は、売り上げのおよそ7割を外国人旅行者が占めるまでになっていたといいます。
ところが、感染拡大による観光客の大幅な減少で売り上げが低迷し、先月の売り上げはおととしの同じ月と比べておよそ7割減少したということです。
そこで、この店では、地元住民にも足を運んでもらおうと、外国人旅行者に人気の串カツなどを提供していた2階のフロアを改装し、ことし2月から韓国風のから揚げなどを扱うことにしました。
新たな業態を取り入れたことで、若い女性など、地元客が訪れるようになったほか、デリバリーの需要も伸びたということで、売り上げの底上げにつながっているといいます。
この店を運営する「くれおーる」の加西幸裕 社長は、「売り上げの大きな回復は難しいかもしれませんが、日々、来店してもらうと、必要とされているという安心感があります。試行錯誤しながらおよそ1年半、営業を続けてきたので、これから先も何とか維持していきたい」と話していました。

【京都 商業地8年ぶり下落】。
都道府県の地価調査が公表され、ホテルの建設ラッシュなどで上昇を続けていた京都府内の商業地の地価は、新型コロナウイルスの影響で8年ぶりに下落に転じました。
都道府県が毎年7月1日時点の土地の価格を調べる地価調査は、京都府では400地点が対象です。
このうち府内の商業地の平均は、マイナス0.6%と8年ぶりに下落しました。
商業地の地価は、観光需要の高まりを背景にホテルの建設が相次ぐなど上昇を続けてきましたが、観光地や繁華街を中心に新型コロナの影響が及んでいます。
商業地で下落率が最も大きかった地点は、京都市伏見区の伏見稲荷大社に近い深草稲荷御前町のビルで、10.6%下落し、1平方メートルあたり45万6000円でした。
全国の商業地では5番目の下落率となり、外国人旅行者が大幅に減って店舗の収益性が低下していることが価格に影響した形です。
また、8年連続で商業地で最も高くなった京都市下京区の立売中之町のビルも、0.7%下落し、1平方メートルあたり675万円でした。
府内の住宅地の地価は、平均でマイナス0.6%と2年連続で下落しました。
住宅地で最も高かったのは11年連続で京都市上京区の勘解由小路町で、1.6%上昇して、1平方メートルあたり65万円でした。

【京都市中心部 マンション需要高まる】。
民間の調査会社、「不動産経済研究所」によりますと、京都市でのことし1月から半年間のマンションの供給戸数は690戸と、前の年の同じ時期の3.3倍に増加しました。
とりわけ、通勤や通学の利便性が高い中心部でマンションの需要が高まっています。
京都御苑に近い場所に来年1月に完成する7階建てのマンションは、新型コロナウイルスの感染拡大前とほぼ変わらないおよそ5000万円から8000万円で販売され、先週までに18部屋すべてで契約が決まったということです。
地元の人だけでなく、将来、京都に移り住むために東京から購入した人もいたということです。
このマンションを販売する今井建設 マンション事業部の慶野伸之 課長は、「ここしばらくはホテルの需要が高くマンションは低調だったが、街なかのマンションの需要が高くなるとみて販売した。ホテル用地だった土地がマンション用の売り物件に変わって多数出回っている」と話し、インバウンド需要に伴って続いていたホテルの建設ラッシュが一息ついたことも影響しているのではないかと分析しています。
中心部に近いエリアを中心に、住宅地の地価の平均は、▼上京区でプラス1.8%、▼下京区でプラス1.4%、▼南区でプラス1.2%、▼西京区でプラス0.8%、▼中京区でプラス0.5%となっています。
一方、▼伏見区と北区ではマイナス0.6%、▼左京区、右京区、山科区ではマイナス0.5%、▼東山区ではマイナス0.2%と二極化しています。
京都市全体の住宅地の平均はマイナス0.1%です。

【中国など海外資産家の関心戻る】。
京都市中心部の住宅地の価格上昇は、中国をはじめ海外の資産家からの関心が戻ってきていることも背景にあるとみられます。
京都市左京区にある不動産会社は8年前から主に中国人向けに京都の不動産の販売や賃貸の仲介を続けています。
新型コロナウイルスの影響で物件を見るために日本を訪れることは難しくなっていますが、この不動産会社では多くの中国人が利用するSNSの「ウェイボー」や「ウィーチャット」でマンションや一戸建ての情報を発信しています。
資産家から寄せられた物件や周辺環境に関する問い合わせには動画を提供して対応することで、直接、物件を見なくても購入を決める人が増えているということです。
京都に滞在する際の「セカンドハウス」や、民泊の施設として活用を考えているケースが多いということです。
新型コロナウイルスの感染拡大前は中国をはじめ、海外の資産家や投資家が京都の物件を購入する動きが活発でしたが、去年、この会社の販売件数はおととしの半分ほどにまで減少したといいます。
しかし、ことしに入って販売件数は持ち直しているということで、「京都ブランド」は、海外では依然として根強い人気があるとこの会社ではみています。
不動産会社「三川」の王穎社長は「京都は京都の魅力がある。世界中の都市の中でも京都は昔の姿のまま残されていて、これからもニーズは高まっていくと思う」と話しています。

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