
● 東京五輪マンションは 「引き渡し時期未定」の異例事態に 晴海フラッグという「東京五輪」マンションは、話題に事欠かない。 2017年、東京五輪・パラリンピックの選手村用地を「不当に安く売却した」として、周辺住民などの都民が都知事らを提訴した。この土地に、東京五輪・パラリンピック開催後に分譲されるマンション群「晴海フラッグ」が完成するが、2020年、東京五輪・パラリンピックは新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となった。 そのためマンション購入者への引き渡し時期も延期となり、その補償などについて一部のマンション購入者らが東京地裁に、売り主側との民事調停を申し立てることとなった。現在は「引き渡し時期未定」と、異例の事態となっている。 ただし、これらの問題を売り主のせいだけにしても解決されるとは限らない。マンションの購入に関しては、買い主側の知識の有無で、1000万円を超える資産格差が生まれることはよくある話だ。そのため、今回の「東京五輪マンション問題」から学習すべきことをまとめておこう。
● 東京五輪マンションに関して 書いた過去の2つの記事 私は記事を書く時、明確に自分の見解を書くようにしている。のちに自分の書いた記事について自ら検証するためだ。 この物件について、私はこれまで2度、記事を書いている。最初に書いたのは以下の記事だ。 ■「お買い得マンション」が五輪後にかつてないほど増えそうな理由(2017年10月12日公開) https://ift.tt/30y1Aio この記事の概要はこうだ。東京都中央区の晴海に、過去最大規模の分譲・賃貸マンションが供給される。数年かけて売ることになるが、土地の仕入れ価格が周辺の10分の1であったことから、このマンションは格安で販売される可能性があるので、注目に値する。 次に、販売開始後に以下の記事を書いている。 ■「晴海フラッグ」は本当に買いか?5つのリスクと正しい選び方(2019年5月23日公開) https://ift.tt/2ObGOTf この記事の概要は、売り出された晴海フラッグが「買いづらい理由」について、(1)交通アクセスが悪い、(2)価格が高い、(3)入居まで長い、(4)立地が悪い、(5)特徴がない、の5つを挙げている。 この2つの記事をまとめると、格安期待だったマンションは当初の予想と違って高い価格で発売され、結局、「条件の悪さ」ばかりが目立って買いにくい、ということだ。 ● 不動産における 最大のリスクは「時間」 そしてこの「買いづらい理由」の3つ目、「入居まで長い」が今回、問題となっている。 そもそも、入居までの期間が長かったがゆえに、その間に購入者に不都合なことが起こる可能性はあった。以前の記事では「家庭不和」や「大地震」を例に挙げたが、実際はまさかの「オリンピック・パラリンピック延期」であった。 このように、世の中というのは必ず想定外のことは起こり得る。不動産の最大のリスクは「時間」だ。 1年後の価格はある程度、読めるが、10年後は誰にもわからないものである。今回の物件は入居までの期間が4年以上という、前代未聞の長さになることは、そもそもわかっていたことであった。そのリスクは買い主が自分で負うものだ。だからこそ私は、上記の記事を書いている。 それに今回の延期に対しては、「手付金の無償返還での解約」という選択肢も買い主に提示されている。やり場のない気持ちはわかるものの、買い主側の分が悪い話ではある。 不動産における「期間リスク」については、以下の記事でも私は書いている。 ■国が推進する「残価設定型」ローン、激変する住宅市場(2020年12月17日) https://ift.tt/3gQtqOc 残価設定型の住宅ローンでは、35年後の残価は高く設定できないが、1年後の残価は高く設定できる。残価が高く、値下がりリスクが低いところでは、住宅ローンの返済金額はわずかでいいことになる。 このように不動産では、期間を長く設定すると、そのリスクは誰も負いきれない、ということが重要な事実なのである。
からの記事と詳細 ( 東京五輪マンション「晴海フラッグ」に学ぶ、不動産最大のリスクと失敗しない選びかた(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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