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Saturday, February 13, 2021

「提案」への反応、これを知っていれば何かが変わるかも【コメントライナー】 - 時事通信ニュース

2021年02月14日09時00分

新型コロナウイルス感染症対策分科会の前に談笑する田村憲久厚生労働相(右)と三原じゅん子厚生労働副大臣(本文とは直接関係ありません)=2020年12月23日、東京・永田町【時事通信社】

新型コロナウイルス感染症対策分科会の前に談笑する田村憲久厚生労働相(右)と三原じゅん子厚生労働副大臣(本文とは直接関係ありません)=2020年12月23日、東京・永田町【時事通信社】

 ◆感性リサーチ代表取締役・黒川 伊保子◆

 男女では、「提案」に対するセンスが違う。最近、つくづくそう思う。

 例えば、「○○食べない?」という女性の提案を受け入れられないとき、男性の多くが、その提案に反論してくる。「○○は、□□だからダメ」というように。

 妻「カルボナーラ食べない?」

 夫「重いなあ、最近疲れてるんだよ、勘弁してくれ」

 これは実際に、わが家で交わされた会話である。気心の知れた女友達だったら、絶対こんなことはしない。

 「カルボナーラ? いいわね、まったりしてて…ああ、でも今は、そばの気分かな。おいしい鳥おろしそばの店があるの。あなたに食べさせたくて」なんて返してくれるはず。

 ◆おもてなし返し

 提案に反論を真正面から打ち返さない。これは、何万年も女同士の連携で子育てをしてきた女性脳の基本機能だ。「カルボナーラは嫌いなの、ごめん」はあり。個人の感想だから、相手を否定していない。

 「カルボナーラは、ダメな提案」という、まるで客観的な裁定を下すかのような、男性たちの言いぶりが問題なのだ。

 おそらく、男性にとって提案とは、自分の考えを相手に提示し、相手がくみするかどうかを測るものなのだろう。反論するならよほどの理由がなきゃと思い込み、客観性のある反論をしたがる。

 一方、女性にとって提案とは、「おもてなし」なのである。相手に、「こんなアイデアがあるの。あなたに、よくなってほしい気持ちがある」というアピールなのだ。だから、「いいね」で受けて、「おもてなし返し」をするのが礼儀なのである。

 というわけで、女性と食事の話をするのに「ノーアイデア」でいてはいけない。デートに誘うのに「何、食べたい?」なんて言語道断。「君に食べさせたい○○がある」「連れて行きたい○○がある」と言わなきゃ。

 在宅夫婦もご用心。毎日「お昼はどうする?」なんて聞いていると、夫婦の間がぎくしゃくしてくる。

 ときには、「そばにする? お湯、沸かそうか」「冷凍ピザ、焼く?」「散歩がてら、弁当買ってこようか」と提案から入ろう。

 ◆「いいね」ボタンの影響

 そして、部下から上がってくる提案も、まずは「いいね」で受けること。男性は「いいね」は成果に言うものだと思い込んでいるけど、女性はプロセスも評価する。

 提案そのものはダメでも、「いいところに気付いたね」「やる気あるね」「発想が豊かだね」など、褒めることが必ずあるはず。部下の提案は、必ず「いいね」で受けると腹を決めたらいい。

 そうすれば、脳が、部下の提案の中から、何かいいところを見つけるモードに入る。「あの人は仕事には厳しいけれど、気持ちを分かってくれる人」と言われることになる。

 これは、男性の部下にも効く。いきなりの否定に心が折れる男子も増えている。

 理由は、おそらくインターネット交流サイト(SNS)の「いいね」ボタン。「いいね」で、コミュニケーションを柔らかくする癖がついているのではないだろうか。

 そう、その「いいね」ボタンをリアルでも押そう! 家族や部下に、提案や嬉しかったことを告げられたら、「いいね」「よかったね」である。たとえ、道義上反論する必要があっても、その後に。

 (時事通信社「コメントライナー」2021年2月14日号より)

 【筆者紹介】

 黒川 伊保子(くろかわ・いほこ) 14年にわたり人工知能(AI)開発に携わり、脳とことばを研究。世界初の語感分析法を開発し、マーケティングに新境地を開拓。脳科学で時代の気分を読み解く「感性アナリスト」の第一人者となった。男女脳のすれ違いを描く恋愛論も人気。2018年刊行の「妻のトリセツ」が話題に。ほかに「共感障害」「女の機嫌の直し方」など著書多数。

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