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Monday, December 28, 2020

本当に有効なSEO対策が何かを見分ける方法 - GIGAZINE

メモ


ウェブサイトがオーガニック検索の検索結果の上位に表示されるためには、SEO(検索エンジン最適化)が必要です。写真共有サービスのPinterestが、どのような変更をウェブサイトに加えれば多くの人がPinterestを見つけて利用するようになるのかをA/Bテストで実験したとして、その内容をまとめています。

Demystifying SEO with experiments | by Pinterest Engineering | Pinterest Engineering Blog | Medium
https://medium.com/pinterest-engineering/demystifying-seo-with-experiments-a183b325cf4c

PinterestはA/Bテストを行うにあたり、まず「関連項目バーのありなし」といった特定の切り口に従ってトラフィックをグループ分けし、それぞれのグループのアクセス数を日時で集計するとのこと。また、集計結果を表示するダッシュボードも独自で開発したものだそうです。


A/Bテストは通常、ユーザーを区分することで行われますが、Pinterestの実験はページを区分することで行われました。つまり、全てのページのうち50%が「変更点を加えたグループ(enabled)」に、残り50%が「対照群(control)」に分けられ、それぞれのページはURLのハッシュにより分類されました。URLのハッシュは実験名を含む形でつけられたため、実験グループ内でページを均等に配信し、また複数の実験をさまざまなグループサイズで同時に行うことが可能だったとのこと。

実験後、Pinterestはトラフィックを比較することでそれぞれのグループのパフォーマンスを比較しました。以下の図は縦軸がトラフィック、横軸が日付を示し、吹き出しで「Experiment Launch」と書かれている部分が実験のスタート時点です。実験開始後、ゆっくりとグラフに開きが出ていることがわかります。スタート地点で2つのグラフが完全に一致していないのは、ページによって人気があるものとないものが存在するため。


この差異を標準化するため、Pinterestはデータを以下のように再プロットしました。以下の図は縦軸がトラフィック、横軸が日付で、真ん中に引かれた灰色のラインが実験開始時点。青い点線が実験を行う前の平均値、緑の点線が実験中の平均値です。「変更を加えたグループから対照群を差し引いた値」を赤い実線で示すと、実験開始前後で大きな違いがあるのがわかります。


A/Bテストの内容には、サイトマップの変更、リンクの張り方、検索エンジンに有効なサイトデザインなど、さまざまなものが考えられます。そして何がSEOとして効果を発揮するのかはウェブサイトやウェブサイトで扱う製品、そして時期によりけりとのこと。このためSEOとして有効な方法を特定するには多数の実験を行うしかなく、Pinterestが実験したところ、一般的に有効と言われるSEOの中でも全く役に立たないものが存在する一方で、「本当に意味があるのか?」と疑わしかった方法が効果を発揮することもあったそうです。

例えば、Pinterestでピンをまとめて保存する「ボード」にはタイトルタグの複製が多すぎることがGoogle Search Consoleで判明しました。ボードページのタイトルタグは「{board_name} on Pinterest,」で設定されており、複数のユーザーが同じ名前で登録を行っていました。ページタイトルはSEOにとって重要な要素であることから、重複するタイトルタグを減らすことが一般的には有効だと言われています。そこでページタイトルを「{board_name} on Pinterest | ({number} Pins).」にし、タイトルタグの重複を防ぐ実験が行われましたが、グループ間のトラフィックに有意な差は見られませんでした。


これとは逆にうまくいった施策は、「description(説明)の欠落をなくす」ということ。ユーザーがピンを貼り付ける時に文章の説明があるものもあれば、ないものもあります。そこでPinterestはピンの中から画像の説明が豊富なものをピックアップし、それを他の人がピンした説明のない同じ画像に適用させました。この変更は予想以上の効果をもたらし、追加のフォローアップ実験により、トラフィックが30%も増加したとのことです。

ほとんどの場合、実験がトラフィックに与える影響は実験開始から2~3日で明らかになりはじめるとPinterestは述べています。グループ間の差は、差異が安定するまで1~2週間にわたって拡大し続けるとのことで、この間に「成功した実験とは何か」を見定める必要があります。

例えば以下のグラフはウェブサイトのパフォーマンスを上げるためにJavaScriptを使ったレンダリングの実験結果を示すもの。JavaScriptの使用がSEOに悪影響を与えないと確かめたかったそうですが、実験開始から2日目で悪影響が見えだしました。この時Pinterestは「もう数日様子を見よう」と決断したのですが、数日たってもトラフィックは改善せず、最終的に実験は失敗に終わりました。この悪影響から回復するにはまる1カ月かかったことから、決断時期の重要性をPinterestは訴えています。加えて、「SEOに悪影響を与えない」という別の実験が必要だということも、ここからわかったとのことです。

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