
山梨県富士河口湖町の町道では、コンビニの建物越しに富士山を撮影しようと、外国人観光客らが交通量の多い道路を横断するなどの行為が後を絶たないことから、富士山を見えなくする黒い幕などを設置する工事が進められています。
山梨県の富士河口湖町の中心部の町道は、コンビニの建物の上に富士山が乗ったような写真が撮影できるとSNSで話題になったことから、多くの外国人観光客らが訪れています。
しかし、観光客が撮影のために交通量の多い道路を横断したり、私有地に無断で入ったりするなどの行為が後を絶たないことから、町は歩道に沿って長さ20メートル、高さ2.5メートルの富士山を見えなくする黒い幕や、道路の横断を防ぐ柵を設置することを決め、先月30日から工事が行われています。
2日は、作業員らが専用の機械を使って幕を張るための支柱や鉄製の柵を差し込むための穴を道路に開けていました。
一方、工事を行っている向かい側にあるコンビニの周りには、富士山が見えるようになった正午ごろから多くの観光客が集まり、写真を撮影していました。
町などによりますと、柵は近く完成する予定で、幕の設置は、幕の加工に時間がかかることから、今月中旬ごろに終わる見込みだということです。
オーストラリアから観光で富士河口湖町を訪れた男性は「私も写真を撮りましたが、ここは安全ではないので、町が景色を隠そうとするのは当然だ。ただ、それでも観光客は写真を撮りにここに来ると思う」と話していました。
富士河口湖町に住む男性は、「昔はよく使う道だったが、今は観光客が多いので避けるようにしている。幕の設置はしかたないと思うが、それだけでは解決できないと思う」と話していました。
また、近所に住む男性は、「道路の真ん中に出て写真を撮る人もいるし、いたちごっこになるのではないかと思う。幕なんか張らずに外国の方にルールを理解してもらいたい」と話していました。
富士山を見えなくする黒い幕や道路の横断を防ぐ柵の設置について、SNSで話題となったコンビニの向かいに位置する富士河口湖町の歯科医院はホームページに「やむをえない対策と考えている」とするコメントを出しました。
このなかで歯科医院は、これまでは患者に迷惑がかからなければよいとして、敷地内での撮影を認めていたということですが、外国人観光客が増えタクシーや大型バスの乗り入れなどで患者が駐車できず、通院できない事例が多発したと説明しています。
さらに、ゴミの放置や喫煙などの迷惑行為が相次ぎ、注意しても外国人観光客は途絶えないため「言っても言ってもらちがあかず、打つ手なしの状態」だとしてオーバーツーリズムへの対策が追いついていない現状を訴えています。
このため、歯科医院も含めた地元住民の要望を受けて、富士河口湖町が黒い幕の設置を判断したとして「考えられないマナーモラル違反、不法行為に対しやむを得ない対策と考えている。黒幕を貼るくらいのことをしなければ、いつ事故が起きても不思議でない」とするコメントを出しました。
からの記事と詳細 ( 富士山見えなくする幕など 設置工事進む 山梨 富士河口湖町|NHK 山梨県のニュース - nhk.or.jp )
https://ift.tt/2ucmn0L
No comments:
Post a Comment