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Thursday, February 8, 2024

先行き見通せない核燃料サイクル 六ケ所再処理工場は6月完成断念:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 今年、岸田政権は東京電力柏崎刈羽原発新潟県)などを再稼働させる方針だ。だが、使い終えた核燃料を再利用する「核燃料サイクル」は、原子力政策の柱と位置づけられながら行き詰まっている。中核施設は6月ごろまでの完成を掲げていたが、1月末に断念。行き場のない使用済み核燃料は1万9千トンを超える。

 昨年11月末、日本原燃再処理工場青森県六ケ所村)が報道公開された。使用済み燃料からプルトニウムとウランを取り出す「再処理」をする施設。東京ドーム159個分、750ヘクタールの敷地には、窓のない白い建物が並ぶ。着工から31年たった今も建設中だ。周囲には「エネルギーの村」と書かれた看板が立っていた。

 再処理工場は本州北端の下北半島にある。冬は雪と強風に、夏場も冷たく湿った風による冷害に見舞われるこの地は、農業に適さない。1985年、村が工場立地を受け入れたのは地域振興のためだった。原燃は大手電力9社などが出資する「国策民営」会社で、今では人口の1割超が社員や関係者だという。

 工場は当初、97年に完成する計画だったが、延期を繰り返してきた。原燃の増田尚宏社長は「2024年度上期のできるだけ早く」とし、具体的には「24年6月ごろ」としていたが、1月31日に青森市で開いた会見で、「私の思いで6月と言い続けるのは、もうさすがにふさわしくない」と撤回した。ただ、24年度上期の期限も「間に合わせるのはかなり厳しい」(関係者)との見方が大半だ。延期が決まれば、27回目となる。

審査長期化「前例がなく、時間を要している」

 完成遅れの要因の一つに、原…

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