【カイロ=蜘手美鶴】エジプトの首都カイロ南郊サッカラで、遺体をミイラ化する紀元前4世紀ごろの作業場2カ所が発見され、観光・考古省は27日、報道陣に公開した。
同省によると、作業場は第30王朝(紀元前380〜同343年)とプトレマイオス朝(同305〜同30年)時代に属し、最古とされる「階段ピラミッド」付近の丘陵地帯で見つかった。サッカラは聖地だったため埋葬希望者が多く、遺体をミイラ化する作業場も多く存在したとされる。
ミイラは遺体から内臓を取り出し、防腐処置を施して完成する。作業場からは、処置の際に遺体を横たえる長さ約2メートルの石こうの寝台や、内臓を入れるつぼ、遺体をくるむ大量の布や防腐処置に使う塩や樹脂などが見つかった。作業場では猫やサルなど動物の死骸もミイラ化していたという。
発掘調査を行った考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長は「最大かつ完全な状態で見つかり、当時の作業の様子が非常によく分かる」と述べた。
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