将棋のトップ棋士、斎藤慎太郎八段(29)が発表した133手詰めの詰将棋が話題を呼んでいる。初形に配置された39枚の駒が次々と消え、玉を入れて最少の3枚で詰みとなる「煙詰(けむりづ)め」だ。飛車から歩まで7種類の合駒を出現させるという難条件もクリアした。専門誌でも高く評価された会心作が完成するまでの経緯を斎藤八段に聞いた。
煙詰めで最も有名な作品は、江戸中期に伊藤看寿(かんじゅ)(1719~60)が作った1号局だろう。江戸幕府に献上された作品集「将棋図巧」に収められており、詰将棋を創作する「詰将棋作家」にとって憧れの傑作だ。
斎藤はプロになる前の奨励会三段だった2011年、詰将棋を解く速さと正確さを競う詰将棋解答選手権で優勝。「詰将棋が好きで好きで、愛していると言ってもおかしくない」という名言を残した。創作も一流で、これまでに専門誌「詰将棋パラダイス」(詰(つめ)パラ)に作品を度々発表してきたが、「いつかは煙詰めを作りたい」という思いを抱いてきた。
133手という長手数の詰将棋を、斎藤八段はどのように作ったのでしょうか。煙詰めを作ったことがある浦野真彦八段は「すごいとしか言いようがない」と絶賛。その魅力を聞きました。
斎藤が今回の作品(図1)の…
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