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Thursday, December 15, 2022

生産期間を短縮するメリット、売れ残りや欠品を防止し顧客満足度 ... - ITpro

全2945文字

 ここまで10回にわたり、QCD(品質・コスト・納期)のQ(品質)とC(コスト)について紹介してきました。今回と次回は、最後のD(納期)を解説します。

 受注するうえで、顧客の納期を満たすことは必須条件になります。その一方、顧客の希望納期は、時代とともにますます早まるばかりです。そのための対応策を考えたいと思います。

納期を達成するための生産期間

 顧客からの厳しい短納期の要求や、予想を超えた多くの数量の注文があった場合でも、在庫をたっぷり持っていれば、難なく対応できます。しかし顧客の納期は守れるものの、利益を損なう多くの問題が生じます。

 例えば、在庫品を完売できないリスクです。詳細は後述しますが、事前に在庫を持つには、注文が入る前に予想した数量を生産することになります。これを見込み生産といい、生産した数量が全て売れればよいのですが、生産数よりも注文数が少なければ売れ残りになります。売れずに在庫期間が長引けば、食品のように賞味期限のあるものは廃棄処分せざるを得なくなってしまいます。また家電製品であれば、モデルチェンジがあるとそれまでの在庫品は旧タイプになってしまうので、大幅に値引きしなければ売れません。

 こうした売れ残りのリスクに加えて、在庫を保管するスペースも必要になります。その在庫置き場に入出庫するための運搬も必要になり、入庫や出庫のたびに、リアルタイムで在庫数を管理しなければなりません。この管理作業も大きなコスト負担になります。

 そのため、顧客の希望納期を満たしながらも、「在庫量の最小化」を狙います。この最小化を達成するためのポイントが「生産期間の短縮」になります。

生産開始から完成するまでの生産期間

 生産を開始してから完成するまでの期間(リードタイム)が生産期間になります。図1にさまざまなものづくりの形態におけるリードタイムをまとめました。このようにリードタイムは、「開発期間」「調達期間」「生産期間」「在庫期間」「配送期間」に分解できます。

図1 5つのリードタイム

図1 5つのリードタイム

完成品在庫の期間は生産期間のリードタイムに含めず、「在庫期間」として分けて表す。(出所:西村 仁)

[画像のクリックで拡大表示]

 生産期間は、生産を開始してから出荷するまでの期間とする捉え方が一般的に知られており、これには完成してから出荷されるまでの完成品在庫の期間も含まれます。しかし完成品在庫として滞留する期間は、顧客の注文状況によって左右されます。そのためものづくり現場の実力を明確にするために、ここでは生産期間に完成品在庫の期間を含めず、完成品在庫を「在庫期間」として分けて表します。

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