土庄町が発注した公共工事の入札の情報を建設業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われた前町長らの裁判で、高松地方裁判所は、「高い公正性が求められる町長の職責に反して犯行に及んでいて、強い非難に値する」として、前町長に執行猶予のついた懲役２年の判決を言い渡しました。
土庄町の三枝邦彦前町長（６４）は、去年、町が発注した架橋工事に関する一般競争入札で▼高松市の元会社員、真嶋忠雄被告（７５）を通じて、▼高松市の元会社役員、松田善雄被告（６７）に最低制限価格を事前に漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われています。
これまでの裁判で三枝前町長ら３人はいずれも起訴された内容を認め、検察は▽三枝前町長に懲役２年、▽松田被告と真嶋被告に懲役１年６か月をそれぞれ求刑していました。
１日の判決で、高松地方裁判所の近道暁郎裁判長は、前町長について、「町長という立場を利用し厳しく情報管理されている最低制限価格を漏らしたことからできた犯行で果たした役割は共犯者の中で最も重要だ。町長として高い公正性、廉潔性が求められる立場にもかかわらずその職責に反し強い非難に値する」と指摘しました。
一方で、犯行を認めて反省もしているなどとして、懲役２年、執行猶予４年の判決を言い渡しました。
また、松田被告と真嶋被告に対しては、懲役１年６か月、執行猶予３年の判決を言い渡しました。
判決の後、三枝前町長は高松地方裁判所の前で報道陣の取材に応じ、「今回このような事件を起こし、町民のみなさまや関係者のみなさまに大変ご迷惑をおかけした。島民のみなさまが心待ちにしていた橋の完成が半年から１年遅れる形になり、心から申し訳なく思うし、早く完成するよう祈っている」と述べました。
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