ホーチミン市で建設準備中の同市都市鉄道(メトロ)2号線第1期(ベンタイン～タムルオン間)は、土地収用がほぼ完了しているが、完成時期が当初の計画から4年遅れの2030年に延期される見通しだ。
これは、ホーチミン市メトロ管理委員会(MAUR)が同市人民委員会宛てに送付した報告書で明らかになったもの。
報告書によると、収用対象施設586か所のうち、全体の99.7％に当たる584か所について立ち退き補償の交渉を完了した。また、全体の83.5％に当たる489か所は住民が既に退去し、施設を国に引き渡した。
MAURはメトロ2号線の完成時期について、当初計画の2026年から2030年に延期することを提案している。同案件に資金を供与しているドイツ復興金融公庫(KfW)からも同意を得ているという。同案件ではKfWのほか、アジア開発銀行(ADB)と欧州投資銀行(EIB)からも融資を受けることになっている。
完成時期の延期の背景には、2012年にメトロ2号線のコンサルタント契約を締結したドイツ系コンサルティング会社が中心となる企業連合体が、コンサルタント契約の付属文書の交渉で合意に至らなかったことを理由に2018年10月から同事業向けのコンサルティングを一時停止していることがある。これが、各工事パッケージの入札や請負業者の選定などに遅れが生じる主な原因となっている。
2010年に承認されたメトロ2号線第1期の建設計画では、2014年に着工し、4年の工期を経て完成する予定だった。しかし、2022年3月になった今も着工時期は決まっていない。
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