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Friday, February 25, 2022

【B腕広報リレーコラム好球筆打】「マッチョ」「ラオウ」…今年のチャンス動画もこうご期待! 花木聡 - iza(イザ!)

B腕広報リレーコラム好球筆打

2020年の自主トレーニングで、アテネ五輪金メダリストの室伏広治氏から指導を受ける吉田正尚選手。今年はどんな「マッチョ」動画となるか(撮影・桐原正道)
2020年の自主トレーニングで、アテネ五輪金メダリストの室伏広治氏から指導を受ける吉田正尚選手。今年はどんな「マッチョ」動画となるか(撮影・桐原正道)

球春到来を告げる宮崎キャンプもあと2日を残すのみとなった。チームは予定されている15試合のオープン戦を経て、ペナントレースへと突入する。公式戦の開幕は3月25日。ここからの1カ月がシーズンを占う上で大きな意味を持つことは言うまでもない。どうかご注目いただきたい。

球団事務所でも開幕前ラストの1カ月に正念場を迎えるスタッフが少なくない。木寺一樹(37)もその一人。事業企画部宣伝グループに所属する木寺の主たる業務は球場演出。球場でファンの皆さんにお楽しみいただいているビジョンの映像は彼の手による。

「チャンス動画、できた?」。チャンス動画とは、得点圏での打席や先発投手の登場シーン、緊迫した展開でのリリーフ登板など、特別な場面でのみ場内に流される注目度の高い選手紹介映像である。部署の垣根を越えて進捗(しんちょく)具合は気になるところだ。「まだですよ」。焦るんじゃないよ、とでも言いたげな苦笑いを浮かべて木寺は答えた。選手の撮影はおおむね終了しており、今はそれをどのように編集し、CGや音楽などの効果をどう加えるか、そのアイデアを練っているところなのだという。「大丈夫。この週末、自転車漕いでたら湧いてくるはずです」。天才肌なのか、とびきりの楽天家なのか。ともかく、少々心許ない気もするが、この手法によりチャンス動画が完成するのはいつものことらしい。

当然のことながら、チャンス動画の制作には選手の協力が欠かせない。撮影時間は一人あたり約1時間。選手によっては3時間を超えるケースもある。でも、それよりも、と木寺は言う。「撮影までにしっかりとコミュニケーションを取らせてくれることがありがたいですね」。チャンス動画は試合中に場内を一層盛り上げるための仕掛けだが、同時に選手の個性やキャラクターをファンに伝えたいというこだわりが木寺にはある。そのために木寺は選手との対話をとても大切にしている。2018年シーズン、大いに話題を呼んだ吉田正尚(まさたか)選手のチャンス動画。テーマとなった「マッチョ」は吉田正選手との複数回に渡る対話の末に生み出された。「このときはそこからが大変だったんですよ」。テーマは「マッチョ」と決まったものの演出方法は悩みに悩んだ。撮影を行うのは宮崎キャンプ。もんもんとしたまま宮崎入りした木寺が、到着した空港で突如ひらめいたのが「ダンベル」だった。「切羽詰まってましたねえ」。木寺はその足で宮崎市内のスポーツ用品量販店に向かった。撮影現場に持ち込まれたダンベルを見て吉田正選手は「えっ!本物ですか⁉」と目を丸くしたという。「練習で疲れている体にむち打つようで、ちょっと申し訳ない気持ちになりましたね」。言葉とは裏腹に、木寺は笑いながら当時を振り返った。

今シーズンの新作について、少しだけ話を聞いた。「吉田正選手はマッチョ路線を踏襲しつつも背番号『7』を演出に使っています。杉本裕太郎選手は、皆さんの期待通り『ラオウ』を全面的に。気に入っているのは田嶋大樹投手です。一緒に選んだすてきな言葉やフレーズをデザインとしてちりばめています」。この3選手を含む10本の新作チャンス動画を携えて木寺はシーズン開幕を迎える。今まさに彼の漕ぐ自転車のペダルはフル回転をしているに違いない。

はなき・さとし 1963年3月29日、神戸市生まれ。90年オリックス・ブレーブス(現・オリックス野球クラブ)入社。スカイマークスタジアム(現ほっともっとフィールド神戸)球場長などを経て、2012年広報部へ。現在はプロジェクトマネジャーとして事業本部、ファーム事業グループ兼務。1995、96年の優勝を知る数少ない現役職員。関学大アメフト部OB。プライベートでは兵庫・仁川学院高アメフト部のヘッドコーチを務める。

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