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Sunday, January 30, 2022

人工乳房非対面で販売 外出控える乳がん患者に - 読売新聞

 新型コロナウイルス禍で外出を控える乳がん患者に対応しようと、人工乳房の販売会社「レリエンスメディケア」(新潟市東区)が非対面での販売体制を整えた。「感染が怖かったのでありがたい」と好評といい、同社の担当者は「新型コロナ禍でも、患者さんの喪失感を癒やす手助けをしたい」と力を込める。

■既製品を開発 人工乳房はシリコーン製で、乳がんで乳房を摘出した患者が装着するもの。国産の完全オーダーメイド品は80万~100万円と高価で、手が出ない患者も多いという話を病院関係者から耳にした同社の小林勝広社長(53)が、価格を10万円台に抑えた既製品を開発。2014年から販売している。

 同社の人工乳房は既製品のほか、患者の肌の色に合わせて既製品に着色するセミオーダーメイド品、完全オーダーメイド品の計3種類がある。「人の目を気にすることなく温泉に入りたい」「鏡で自分の体を見る際、手術前と同じ姿でいたい」などの要望から、注文全体の7~8割がセミオーダー品という。

■9割が県外患者 セミオーダー品の販売はこれまで新潟駅前のサロンに来店してもらい、試着して肌の色を見ながら着色する仕組みをとっていた。だが、患者の9割が首都圏や関西圏など県外在住者で、新型コロナが国内で流行し始めた20年2月頃から注文が途絶えた。

 そこで、小林社長は新型コロナ禍前から模索していた非対面の販売を本格化した。同10月にインターネット上に販売サイト=QRコード=を開設。注文を受けると、色がついていないサンプル品を配送し、患者に自宅で装着してスマートフォンで撮影してもらう。その後、撮影した画像で、手術を受けていない方の乳房を基に、肌の色を再現して着色し、約1か月半で完成するようにした。

■肌の色忠実に 昨年からは高性能の色彩分析ソフトを導入し、実際の肌の色をより忠実に再現できるようにしている。購入した患者からは「直接確かめられないので自分の肌と同じ色か不安だったが、本物そっくりの見た目で安心して温泉に入れた」など、喜びの声が寄せられているという。

 小林社長は「非対面なら、高齢の患者も移動の負担がなくなる。ラインやメールでの相談も受け付け、非対面であっても患者のニーズに細かく応えていきたい」と話している。

 問い合わせは、同社(025・278・9123)へ。

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