Kesan Akhir: やまゆり園新園舎完成知事「当事者目線に」

Sunday, July 4, 2021

入所者の居室は全て個室。空調やベランダが付く

　県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」（相模原市緑区）の新園舎が完成し、四日、報道陣に公開された。居室はすべて個室とし、一部に地域生活体験用としてトイレと浴室を設けるなど「地域移行前提の施設」を目指したという。

　県は当初、従来通り定員百五十人ほどの大規模施設にする方針だった。しかし、障害者団体などから異論が相次ぎ、現地に建てる園舎は定員を六十六人に縮小し、横浜市に施設を新設し、分散することにした。

　完成した新園舎は、地域住民らとの交流を促すため正面玄関の塀を取り除き、日中に住民らが自由に出入りできる広場を整備した。居住棟はそれぞれ十一人が暮らせる六つの区画に分かれ、各区画に共用のダイニング、リビング、トイレ、浴室があり、グループホームを意識した造りにした。

地域交流を促すため、住民らが自由に出入りできる広場も設けた

　県は運営法人「かながわ共同会」などと入所者の気持ちをくみ取る「意思決定支援」をしてきた。四月時点で、同園に四十四人が戻り、十二月に開所する横浜市の新施設に五十七人、十一人が地域生活、七人が別の県立施設に移ることになった。今後も支援を続け、地域移行を促すという。

　黒岩祐治知事は「これまでとは全く違ったコンセプトで当事者目線に立った施設。新しい障害福祉の歴史をつくりたい」と話した。（曽田晋太郎）

入所者らの殺傷事件を受けて建て替えた「津久井やまゆり園」の新園舎

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