【北京=坪井千隼】中国は29日、独自の宇宙ステーション「天宮」の中核施設を海南省の発射センターから打ち上げ、予定軌道投入に成功した。今後、実験施設などを打ち上げ、来年完成する予定。宇宙分野での技術力を誇示し、「宇宙強国」実現を目指す。
◆唯一の宇宙ステーション保有国になる可能性も
中国は、日本や欧米主導の国際宇宙ステーション(ISS)に加わっていない。ISSは老朽化のため2024年までの運用予定で、天宮完成後は中国が唯一の宇宙ステーション保有国になる可能性がある。
打ち上げられた中核施設「天和」は全長16.6メートル、直径4.2メートル。今後、実験施設などを搭載したロケットを計10回打ち上げてドッキングさせ、天宮を完成させる。運用は10年の予定。宇宙飛行士3~6人の滞在が可能で、無重力下での科学実験などが行われる。
◆宇宙開発分野でも中国・ロシア連携、欧米に対抗か
中国は今年7月に共産党創立100年の節目を迎える。国営新華社通信によると
近年、軍事技術に密接に関連する宇宙開発分野でも欧米と、中国・ロシアとの「デカップリング(切り離し)」が進む。中ロ両政府は今年3月、将来的に共同で月面基地を建設する計画に合意。ロシアはISSから撤退し、独自の宇宙ステーションを建設する方針を示しており、欧米と対抗するため、宇宙開発分野で中ロの連携がさらに進む可能性がある。
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