
(北村 淳:軍事社会学者) 海上自衛隊そうりゅう型潜水艦12番艦「とうりゅう」が、3月24日に完工し、川崎重工から防衛省に引き渡された。 【本記事の写真】2020年10月14日に三菱重工業・神戸造船所で行われた最新鋭潜水艦「たいげい」の命名式、進水式 昨年(2020年)10月に進水し三菱重工業が建造している最新鋭たいげい型潜水艦の1番艦「たいげい」が来年3月に完工すると、ようやく海上自衛隊潜水艦戦隊は2010(平成22)年に打ち出された22隻態勢が完成する。 「とうりゅう」は、2020年3月5日に就役した11番艦「おうりゅう」とともに、新機軸のディーゼル・エレクトリック(通常動力)潜水艦である。そうりゅう型とはされているものの、そうりゅう型の特徴であったAIP推進システム(非大気依存推進システム)の搭載を中止し、リチウム蓄電池を搭載した。新鋭たいげい型潜水艦もリチウム蓄電池搭載潜水艦となっている。 ■ 各国で目白押しの潜水艦誕生 「とうりゅう」の就役に前後して、世界中の海軍で潜水艦関連の話題が目白押しになっている。
2月には、新型コロナウイルスで有名になった中国・武漢にある武昌造船所(武昌船舶重工集团有限公司)の通常動力潜水艦建造施設が大拡張されていることが判明した。 中国はAIP潜水艦をパキスタンやタイに売り込むことに成功し、今後ますます世界各地の海軍で需要が高まる通常動力潜水艦市場で、ドイツやフランスをリードするための増産態勢を進めているものと思われる。もちろん、中国海軍自身も新鋭通常動力潜水艦ならびに原子力潜水艦の戦力拡大ペースをますます上げている。 3月10日にはインド海軍がスコルペヌ型潜水艦の3番艦を就役させた。スコルペヌ型潜水艦は世界中に潜水艦を売りまくっているフランスのDCNS(フランス政府が60%以上の株式を保有する企業)がスペイン国営のNavantiaと共同開発して建造している通常動力潜水艦である。これまでにチリ、マレーシア、インド、ブラジルで配備が進んでおり、続いてポーランド、ノルウェー、フィリピン、インドネシアなどにも売り込み攻勢がかけられている。 3月17日には、初めてインドネシア国内で建造されたナガパサ級潜水艦がインドネシア海軍に引き渡された。インドネシア国内で建造されたとは言っても韓国の大宇造船海洋がインドネシアで建造したもので、同型潜水艦1番艦と2番艦は韓国で建造されて、それぞれ2017年と2018年からインドネシア海軍で運用中である。
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