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Saturday, February 15, 2020

よい美術品とは何かを研鑽 学芸員の苦労をほめてやりたい【鑑定士のナイショ話】(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

【鑑定士のナイショ話】#31

 最初の話に戻る。日本の美術館には、高く売れそうな物があるから、それを換金すればいいじゃないかという「稼ぐ美術館」の発想が政府から出ている。

 この発想は、美術館にある収蔵品(特に現代美術)の国際評価が高いことから端を発していると思われる。

 では、こうした収蔵品の購入は誰が決めているのか? 学芸員である。決定自体は個々に委員会などにあるが、作品の選定や価格などは、学芸員やそのリーダーの館長が決めている。

 学芸員たちは、次々と登場してくる作品を厳しくチェックし、過去の理論や潮流などと比較しながら、美術の体系づけを行っている。どんな収蔵品がその美術館にふさわしいか、意義があるか、または持ち込まれた話に乗るかそるか、そうした修練の末に今の収蔵品があるのだ。

 この収蔵品が美術館の骨となり、企画展が肉となって、その美術館を特徴づけていく。こうした積み重ねの結晶が美術館の形になる。

 経済的な問題とは無関係に、よい美術品とは何か、日々研鑽(けんさん)してきた学芸員や研究者の存在があったからこそ、日本の美術館はいま、世界の収集家から垂涎の的になっている。経済的効果でいえば、もうそれで十分ではないか。

 あとは収蔵品を生かして何をするかではないかと私は考える。

(猪羽恵一/本郷美術骨董館 副代表)

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