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Friday, December 11, 2020

再開発検証結果 委員会で了承|NHK 兵庫県のニュース - nhk.or.jp

阪神・淡路大震災からおよそ30年を経てようやく完了する見通しとなった神戸市の新長田地区の復興事業について、市が行った検証結果が11日の専門家の委員会で、おおむね了承されました。

阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸市の新長田地区では、およそ20ヘクタールの土地に、44棟の再開発ビルを建設する大規模な復興事業が、震災から29年となる2024年にようやく完了する見通しとなりました。
これを受けて、神戸市は初めて事業の検証を行い、11日、検証結果を専門会の委員会に示しました。
この中では、震災前の商店街の地権者のうち戻ってきたのは半数にとどまったとした上で、復興を急ぐあまり、入居の意向を把握せずに開発を進めたことが背景にあったとしています。
また経済情勢が見通せず、事業の収支は全体で300億円あまりの赤字に陥ったことも挙げ、大規模な計画に、行政内部でブレーキをかける動きはなかったとして、柔軟な判断が必要だったと総括しています。
11日の委員会で検証結果はおおむね了承されました。
検証委員会の座長を務めた兵庫県立大学大学院の加藤恵正教授は「新長田の再開発はこれまで全体像がよく見えなかったので、今回の検証は大変意義がある。社会情勢の変化への対応が弱かったことは否めず、今後は民間と連携して新しいステップを踏み出していほしい」と話していました。

【新長田地区再開発事業】
平成7年の阪神・淡路大震災で、神戸市長田区の新長田地区では、街の中心となっていた商店街が全焼するなど8割を超える建物が失われました。
神戸市はこの地区の復興を最重点に掲げ、行政主導で大規模な再開発に乗り出します。
当初、10年で終える計画でしたが、土地の買収が難航したことなどから、再開発終了のめどがたたない状況が続きました。
そして、震災から29年となる2024年7月に、最後の1棟となる県立総合衛生学院が完成することになり、すべての事業がようやく完了する見込みとなりました。
総事業費は2200億円あまり、商業ビルや高層マンションなど44棟のビルが建設されるという阪神・淡路大震災の被災地では最大の復興事業となりました。

【検証報告書の概要】
検証報告書は、新長田地区再開発の成果や課題をさまざまな観点から分析しています。

〈再開発事業の成果〉
甚大な被害を受けたまちの復興には、行政主導の都市計画事業が不可欠と判断し、住宅や商業施設の一体的な整備を行うことができたとしています。
住宅が整備されたことで、夜間人口は震災前の1.4倍に、昼間人口も事業完了後には、震災前の水準を上回るとして、成果を強調しています。
また道路、公園などの都市基盤を整備し、耐震化率100%、耐火率100%の災害に強いまち作りができたとしています。

〈課題〉
再開発では、地下一階地上2階の「3層構造」の商業ビルが建設されました。
震災前の商店街の店舗がすべて入ったうえで、さらに、あまったテナントを貸したり売却したりして収入を事業費に充てる計画だったとしています。
しかし、商業ビルに入居したのは47%の事業者にとどまりました。
この背景について、震災復興事業のため、短期間で計画する必要があり、地権者への説明会やヒアリングを十分に行うことができなかったことを挙げ、入居予定者の個別の事情などを把握することができず、見極めが不十分だったとしています。
また新長田地区は、震災前ケミカルシューズの生産が主要産業で、工場が建ち並んでいました。
計画では、当初、工業用地も設定し地区に戻ってきてもらうとしていましたが、事業者が求めるスピードで拠点の整備ができず、事業者は地区外での再建を選ぶこととなったとしています。
再開発では、多くのマンションが建設され、震災前の倍となる2800戸が整備されました。
一方で、自治会がないところもあり地域コミュニティーには課題があるとしています。
事業全体の収支は326億円の赤字となる見込みで、地価の高い時期に用地を取得したものの、その後の経済情勢の変化で、不動産価格が下落したことなどを理由に挙げています。
その上で、報告書では現在処分できていないテナントについては売却方法を工夫するなどさらなる赤字の縮減に努力する必要があるとしています。

〈反省点〉
事業の進め方そのものも検証が行われました。
さらに、事業を進める過程で都市計画決定が早すぎるという反対の声があったのにも関わらず進めたことについて、「行政内部でブレーキを人物がいなかった」と反省点を挙げ、災害という非常時に、事業の過程で情報共有を十分に行い、方向性に間違いがないかチェック・修正する仕組み作りが必要だとしています。

【新長田地区の新ビジョン】
神戸市は、今回の検証報告書に合わせて、新長田地区の新たなビジョンも示しました。
地下道をリノベーションし、地下を歩くイベントなどを開催して、人を呼び込むこと、JR新長田駅を中心とした市バス路線の再編やバスロータリーの整備によって、地域の集客力を向上させること、それに2023年に県立総合衛生学院が完成することから、再開発ビルの空いている商業テナントに医療や福祉などに関連した企業などを誘致し、新たな産業を生み出すことなどに取り組むとしています。

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